静岡県の川勝平太知事が2024年4月2日、6月県議会をもって辞職する意向を明らかにした。
川勝知事をめぐっては、1日に新規採用職員に対して行った訓示で、職業差別ともとれる発言があったとして批判が相次いでいた。ただ、川勝知事は、発言について「不適切ではない」と主張しており、現状認識をめぐる批判が噴出している。
「問題発言があったかのごとき状況になって本当に驚いています」
川勝知事は訓示の際、微笑みながら「県庁というのはですね、別の言葉でいうと、シンクタンクです。毎日毎日野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり。あるいは物を作ったりとかいうことと違って、基本的にみなさま方は頭脳、知性の高い方たちです」などと呼びかけた。発言の「毎日毎日野菜を~」の部分をめぐり、職業に優劣をつけるものではないかとして批判の声が上がっていた。
川勝知事はこれまでも複数回不適切な発言で「炎上」し、「次に迷惑をかけることがあれば辞職する」と発言していた。こうした背景から、取材に対し「言葉が不十分であったということかもしれません。準備もありますからねえ、6月の議会をもってこの職を辞そうと思っております。以上です」と辞職の意向を明らかにした。
一方で、発言の意図については「職業差別は皆無です、ありません」と職業に優劣をつける意図はなかったと疑惑を否定。
「職業に貴賤(きせん)はないというのが基本的な考え方ですね。昨日の新規県庁職員として入庁された方々への歓迎の言葉が、励ましの言葉がこんなことになったというか。問題発言があったかのごとき状況になって本当に驚いています」
発言を撤回したり、謝罪したりする意向はあるかと問われるも、「野菜に関わる仕事をしている人たちとか酪農の仕事をしている人たちと職種が違うということを言っただけでございます」と主張し、県庁ウェブサイトで訓示全文を公開しているとして「ご覧いただければ誤解を解けるのではないかと思います」とした。
批判を呼んだ発言について「不適切ではないと思っているのか」とする質問には、「不適切ではないと思いますが、一部そこだけ取ればですね、皆さんがおっしゃっているような職業差別に落とし込むことができる発言であったかもしれませんね」と語った。