東京・新宿のカレー店「curry 草枕」が2024年3月31日、同日をもって一般営業を終了し、4月28日で閉店・廃業すると公式サイトで発表した。「コロナの後遺症で匂いが以前のようにとれなくなってしまいました」と、店主の嗅覚障害が理由だと説明している。
「少し変わったスパイスカレー」が売りの同店は、飲食店情報サイト「食べログ」でユーザー高評価を獲得して「食べログカレーTOKYO百名店」にもたびたび選出されてきた。
固定レシピで2年、「社長自身がわからないものを売るのはどうかとも」
curry草枕は「なすチキン」をおすすめとし、10段階で辛さを選べるカレーを提供してきた。公式サイトではこだわりを、「一皿あたり丸々一個程のすりおろした玉ねぎをたっぷり時間をかけて熱してベースを作り、そこにお店で配合した多種多様なスパイスを加えて香り豊かに仕上げています」と伝えている。
一般営業終了後の4月は、サービス券を持っている客、周年記念品を所有する馴染みの客、店の関係者を対象にウェブフォームからの完全予約制で特別営業するという。混乱回避のため、一見での予約や飛び込み客は断るとした。
閉店・廃業の理由については、冒頭のように、新型コロナウイルス感染の後遺症があると明かす。味覚障害などの諸症状は回復したものの、「鼻の方はお医者さんから今の医学では元通りに治るかどうかなんとも言えない、と言われています」とし、下記の通り経緯を説明している。
「ごまかしながら、店の従業員に助けてもらいながら固定のレシピでこの2年やってきましたが、カレーが好きでお店まで開いた私の気持ちとしてこの状況はつらいものがありますし、社長自身がわからないものを売るのはどうかとも思います。
またメニューの改善もできないこの状況では早晩うまくいかなくなるのは目に見えています。従業員や関係して下さる方々の事も考え十分に余力のある今のうちに閉めることに決めました」
客や関係者に「大変申し訳ありません。至らない店でしたし沢山のご迷惑をおかけしながらだったと思います」と詫びつつ、「またこれまで本当にありがとうございました。通い詰めていただいた常連さんや一緒に働いてくれた方々のお顔がたくさん目に浮かびます。感謝してもしきれません」と伝えた。