プロ野球巨人は開幕3連戦を宿敵・阪神を相手に、2勝1敗と勝ち越し、上々のスタートを切った。
昨シーズン(2023年シーズン)は6勝18敗1分と大きく負け越しただけに、初対戦で違った印象を相手に植え付けられたのは大きな意味がある。
「スモールベースボールの考えが選手たちにも浸透している」
阿部慎之助監督の野球は手堅い。印象的だったのが、30日の2戦目だ。
巨人は6回に3点を先制すると、7回に先頭打者の萩尾匡也が右翼線二塁打で出塁。ここで小技をからめる。つづく佐々木俊輔の犠打が、野戦を誘って一、三塁と好機を拡大させる。
そうして、むかえた次打者・門脇誠は2球連続でセーフティーバントをしかけて、1死二、三塁とすると、松原聖弥が2点中前適時打で勝負を決めた。
スポーツ紙デスクは、
「オープン戦でも阿部慎之助監督の采配は手堅かった。岡田彰布監督に近い感じがします。オーソドックスな野球で、原辰徳前監督のように奇をてらわない。スモールベースボールの考えが選手たちにも浸透しているので、スピード感あふれる野球ができている」
と分析する。
熾烈な競争でチーム力は底上げ 若手からベテランまで...外野陣は激戦
チーム内の熾烈な競争も底上げにつながっている。
外野陣はレギュラー不在の状況でドラフト3位の佐々木俊輔、プロ2年目の萩尾、浅野翔吾ら若手が台頭。刺激を受けた梶谷隆幸、丸佳浩が攻守で溌溂としたプレーを見せ、復活を期す松原聖弥も定位置奪取に燃えている。
2年連続Bクラスからの巻き返しへ向け、阿部監督も手ごたえをつかんでいるだろう。4月2日から敵地・バンテリンドームで中日3連戦を迎える。
スタートダッシュに成功し、貯金を積み重ねたい。(中町顕吾)