プロ野球のセ・パ両リーグが2024年3月29日に開幕した。
26年ぶりのリーグ優勝を目指すDeNAは、23年ドラフト1位・度会隆輝外野手(21)の活躍などで広島との開幕3連戦を2勝1敗で勝ち越した。
23年シーズンは3位に終わったDeNA。今シーズンは巻き返せるのか――。
巨人、ヤクルト、西武、楽天でコーチを歴任し、オイシックス新潟アルビレックスBCで監督を務める橋上秀樹氏(58)はJ-CASTニュースの取材に対して、DeNAを優勝候補のひとつに挙げた。
「度会はチーム全体の雰囲気を明るくして元気付けている」
DeNAはホーム横浜スタジアムに広島を迎えて、開幕3連戦に臨んだ。初戦を4-3でものにすると、第2戦は6-1で勝利した。第3戦は打線が沈黙し1-5で落としたが、23年シーズン2位の広島を相手に2勝1敗と上々の滑り出しをした。
開幕シリーズで存在感を示したのが、ゴールデンルーキーの度会だ。
開幕戦の第2打席でプロ初安打初本塁打の衝撃デビューを飾り、第2戦は第1打席で頭部付近に死球を受けるも1本塁打を含む4打数4安打。スポーツ紙の報道によると、ルーキーの開幕からの2連発はセ・リーグでは初めてだという。
橋上氏は「まだ3試合ですが、初戦と2戦目は明らかに度会選手の貢献度が高く、攻撃陣をけん引していた」と度会の実力を高く評価し、打撃技術や人間性に言及した。
「打撃に関しては社会人時代から高い評価を受けていました。それにたがわぬバットコントロールのよさやシャープさがある。もうひとつは、キャラクター的な明るさ。今は成績が伴っているからなおさらですが、チーム全体の雰囲気を明るくして元気付けている。ベンチを見ていても、周りが度会選手の元気のよさに引っ張られている感じがします。横浜は比較的大人しい感じの選手が多いが、元々持っている明るさを出せる雰囲気になってきている」
DeNAは開幕3連戦のオーダーを1番・度会、2番タイラー・オースティン内野手(32)で固定。度会は13打数5安打、オースティンは14打数5安打の活躍を見せ、1、2番コンビがチームをけん引した。
「攻撃陣だけをみれば、リーグトップと言っても過言ではない」
橋上氏は「度会選手とオースティン選手の存在が打線に厚みを加えている」とし、チームをこう見ている。
「攻撃陣はこの2人の他にもタレントが揃っている。1番から6番あたりまでなかなかの打線だと思います。攻撃陣だけをみれば、リーグトップと言っても過言ではないでしょう。そこに度会選手の勢いがプラスアルファとなり、このまま突っ走っていける気がします。横浜は浮き沈みが多いチームではありますが、度会選手という明るいキャラクターがチームの沈む部分を極力減らしてくれるような気がします」
度会の明るいキャラクターは父親譲りだと橋上氏は指摘する。元プロ野球選手の父・博文さん(52)は、ヤクルトで15年間プレーし、引退後はヤクルトでコーチを務めた。
橋上氏は現役時代、ヤクルトで博文さんと一緒にプレー。同じ千葉県船橋市出身ということでも、親近感を持っていたという。
「度会選手の父親もキャラクター的に明るい選手でした。キャラクターは父親似だと思います。チームのムードメーカーで古田(敦也)監督時代、チームを引っ張る存在で一目置かれていました。度会選手は父親のDNAを受け継いでいると感じます。度会選手は今シーズンの横浜の明暗を握っているといっても過言ではないと思います」
開幕シリーズを勝ち越したチームは2日から、京セラドームで昨シーズンの覇者・阪神との3連戦に臨む。