人気YouTuber・ヴァンビさんが2024年3月26日、「SNS大学」を始めるとXで発表した。SNSフォロワーや「案件」の獲得を目指すオンラインレッスンのサービスだ。
発表を受けてXでは、「大学ではない施設が『大学』を名乗るのは違法」「学校教育法には抵触しないのかな?」といった指摘も散見される。今回の件に限らず、様々なサービスなどが「大学」を名乗るたびに出される疑問だが、実際はどうなのか。法的観点からの見解を弁護士に取材した。
たびたび引き合いに出される学校教育法第135条
元「ヴァンゆん」のヴァンビさんは、正体不明のYouTuber「スパイダーメーン」(現・Spider VAMBI)として22年7月に開設したチャンネルが約1年で登録者1000万人を達成し、中の人だと明かしたことでも話題を呼んだ。
「SNS大学」の発表に際し、ヴァンビさんはXに公開した動画でも「大学」をつくると訴え、「バズ学」と題した「新たな学問」を提供すると説明。バズの本質を追求するものだという。
公式サイトは「1年制のオンラインSNS大学」をうたい、「HERO'ZZ UNIVERSITY」「HERO'ZZ大学」を名乗っている。現役のクリエーターを講師に据え、SNSに関して「1年後に全員が『フォロワー10万人以上』『案件獲得』を目指す『超実践型』の本格マンツーマンレッスン」を行うという。料金プランはいずれも1年コースの2種類で、受講料が総額87万7800円(税込)、または65万7800円(税込)。
実際、このサービスの名称には問題があるのだろうか。「弁護士法人・響」古藤由佳弁護士に29日、法的観点から解説してもらった。
まず、教育機関の名称の使用については、学校教育法の第135条で、「専修学校、各種学校その他第一条に掲げるもの以外の教育施設は、同条に掲げる学校の名称又は大学院の名称を用いてはならない」と定められている。第1条記載の教育機関とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校だ。
Xでは、135条を引き合いに、サービスの名称は問題ではないかと解釈する声が上がっていた。しかし古藤弁護士は、今回の件は「学校教育法違反にはならない」とみる。