TBSの朝の報道番組「サンデーモーニング」(日曜午前8時)で、1987年の番組スタート時から、36年半にわたって総合司会を務めてきた関口宏氏(80)が、2024年3月31日の放送回で卒業となった。4月からはフリーアナウンサーの膳場貴子さん(49)に交代する。
後任の膳場アナ、3月末までTBS「報道特集」担当
番組の最後、関口氏によるあいさつがあった。
関口氏は「今日の放送を持ちまして、わたくし担当の『サンデーモーニング』は終了ということになります。36年と6か月でございました。長い間、ありがとうございました」と感謝を伝え、初回から番組を振り返る映像が流れた。
36年半、さまざま起きたニュースを集めた映像とともに、関口氏がコメントをした。言及した過去の出演者の中には、すでに鬼籍に入った人も多い。
「番組が始まるとしばらくして、(1989年の)ベルリンの壁の崩壊が起こりまして。世界が変わるような予感を受けました。
そして西側の自由主義、資本主義の勝ちかなという見方が出てきたと思ったら、(今度は1991年の)湾岸戦争が出てきて。このときお世話になりましたのは、浅井信雄さんでした。
そして大沢親分(大沢啓二さん)による(スポーツコーナーで)『あっぱれ!』(や『喝!』のやりとり)が出てきたのは、このころ(1999年~2000年頃)ですね。これが名物コーナーになりました。
2001年、アメリカで同時多発テロが起こって、どうも我々の価値観は違っていたんじゃないかと思わされました。
日本では2011年、東日本大震災が起こりました。大きなショックを受けました。番組では現地へ行って、そこから放送するということを何回もやりました。ああ、懐かしい(映像ですね)、岸井(成格)さんだ。
そして最近では(2022年の)ウクライナ侵攻。ガザ侵攻ですね。世界がいい方向に向かっているとは思えないような気が、今、わたくしはしております。壊れゆく時代という(のが24年)正月のテーマでございました」
「じっくりニュースと向き合って、スポーツは楽しくきりっと」
一連の映像が終わると、4月から関口氏の後任となる膳場アナが出演。2人は握手を交わし、膳場アナは
「おはようございます。関口さん、36年と6か月、おつかれさまでした」「(振り返りの映像を見て)私たちの生きている時代そのものとずっと向き合ってきている番組なんだと、今、あらためて思いました。この日曜日の(朝の)時間、ゆったりした時間の中で、じっくりニュースと向き合って、スポーツは楽しくきりっと、お伝えしていきたいなと思います」
とねぎらいと、意気込みを語った。これを受けて、関口氏は
「日曜日の朝っていうところを、ひとつ大事にしていただいて。(コメンテーターの)みなさまもよろしくお付き合いくださいませ。わたくしは今日で消えます(笑)。ありがとうございました」
と最後のあいさつ。
スタジオからは「あっぱれです」の声が飛び、関口氏は少し照れながら、片手をあげて、「ありがとう。どうもありがとうございました」と一礼して、フィナーレとなった。
なお、関口氏は24年4月21日から、BS-TBSの新番組「関口宏のこの先どうなる!?」(毎週日曜)で司会を務めるという。
4月から関口氏に代わる膳場アナは、前日の3月30日、8年間キャスターを務めていたTBS「報道特集」(土曜17時半)で最終出演があった。あいさつでは「この8年間は調査報道の意義が増すのを実感する時期でもありました」などと振り返り、視聴者への感謝を伝えていた。