「若手の素朴な疑問が大事なヒントになりうる」
これらの調査結果について、都内企業で採用に携わる40代の男性マネージャーは、このような傾向はZ世代だけのものではなく、以前から若手社員に見られるものだと指摘。そして、彼らの声に耳を傾け、会社が変わる意味は非常にあるとコメントしている。
「危機感の薄かった昔であれば、若手が『この仕事は何のためにあるのか』と聞いても、上司や先輩から『いいからこれまで通りやって』と言われていました。しかし、事業環境の変化でビジネスの再定義が求められる現代においては、『この仕事の意味は何だろう』『このやり方でいいのか』と常に問うことが必要になります。『王様は裸だ』と言える若手の素朴な疑問が大事なヒントになりうるわけです」
将来の変化の不確実性が高い中では、変化に適応していける「社員個人の学習と成長の力」が重要になる。Z世代の「成長志向の高さ」は特に大事にしていくべきだという。
「ときどき『入社したばかりなのに、仕事に成長や自己実現を求めるなんて甘すぎる』なんて豪語する経営者や管理職がいますが、あれは論外ですね。社員に自社の存在意義を語り、社員の成長が会社の成長につながるという考えを持たないと、これからの人手不足の時代に、会社が有能な人材を引き付ける魅力を持つことはできないと思いますよ。それは初任給だけ上げても難しいでしょうね」