小林製薬が2024年3月29日、「紅麹」が含まれたサプリメント商品の利用者に健康被害が出ている問題で記者会見を開いた。現時点で健康被害の原因になった成分を具体的に明かしておらず、その理由を「あいまいな情報を出して皆様を混乱させること」を避けるためだと説明している。
「社会問題にまで発展」社長謝罪
会見では、小林章浩社長、信頼性保証本部・渡邊淳本部長、製造本部・山下健司本部長、ヘルスケア事業部食品カテゴリー・梶田啓介カテゴリー長が質疑に応じた。
小林氏は冒頭、「現在、当社が製造いたします『紅麹』を摂取することによる、腎疾患等の発生問題によりまして、非常に多くの皆様にご心痛ご不安をおかけしており、今回の件が社会問題にまで発展しておりますこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
健康被害について、死亡は70~90代男女5人、入院114人と発表した(28日22時時点の集計状況)。通院者ならびに通院希望者は680人ほど確認できているという。同社は入院・通院にかかる費用などの補償に応じる意向を示している。
健康被害の原因になったとみられる、製造時に想定していない「成分X」は、原料の生産時期としてはおよそ23年4~10月分に散見され、同社の「紅麹コレステヘルプ」など一般消費者向け(BtoC向け)に出荷したうち4ロット(2.4トン)と、一般消費者ではない企業向け(BtoB向け)に出荷したうち6ロット(6.9トン)に含まれていたという。同社は23年以前のロットについて、保管しているサンプルは全て解析を終了しており、成分Xは検出されていないとしている。