西武鉄道が2024年4月1日から、新たな試みを始める。池袋線の武蔵藤沢、稲荷山公園、仏子、元加治、東飯能、高麗の6駅が駅員を置かず、無人化するのだ。
乗客が困ったときには、その場にいない駅員がインターホンで対応するという。この形は、首都圏でも今後、広がりを見せるのだろうか。
東武鉄道大師線、西武池袋線・秩父線で既に存在
J-CASTニュースBiz編集部は、鉄道に詳しいライターの小林拓矢氏に取材した。「JRでは、過疎地に行けば多くの駅は無人であり、関東圏の私鉄にもそういった駅はあります」と回答。事実、東京23区内でも東武鉄道大師線の大師前駅など、確かに無人駅は存在している。
西武鉄道では、すでに駅係員が常駐していない駅が存在すると小林氏。2023年3月1日から、同秩父線の西吾野駅と正丸駅、芦ヶ久保駅、及び池袋線の武蔵横手駅と東吾野駅は、駅員が常駐せず定期的に巡回する「巡回駅」と呼ばれる体制に移行している。
「こういった形の無人駅は、今後増えていくと考えます」
監視カメラなどの技術の発展や、交通系ICカードの普及で駅に券売機を設置する必要性は必ずしもなく、そのメンテナンスが発生しないことを理由に挙げた。
人手不足続き「遠隔監視の駅は増えていくでしょう」
今回の西武池袋線の6駅は無人化されるものの、別の場所にいる駅員によってインターホンでの案内は行われる。小林氏によると、「このような駅も含めて、駅員がいない駅は『無人駅』と呼ばれます」とのこと。
インターホンによる遠隔対応は、「都市部でも早朝や深夜の時間帯に使用されています」とした上で、「現在、鉄道の現場では人手不足が続いているため、遠隔監視の駅は増えていくでしょう。日本全体でも、同様の傾向が見られると予想します」と語った。
実際、東京23区内では、都心にあるJR千駄ヶ谷駅など、早朝時間帯に駅員がいない状態で運用されている例がある。小林氏はこのような駅において、駅員不在の時間帯が少しずつ拡大され、かなり先だが将来はJR山手線やその内側のJRの駅でも無人化される可能性は否定できないと話した。
(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)