VR(仮想現実)が、知育分野での役割を広げている。TOPPANホールディングス(東京都文京区)と、TBSホールディングス(東京都港区)は、共同開発した知育コンテンツ「メタバース動物園」を、2024年3月29日から31日までのイベント「AKASAKA あそび!学び!フェスタ」(会場:赤坂サカス広場、TBS赤坂BLITZスタジオ)内で公開中だ。
今回は第一弾、「メタパ里山ワールド・ミツバチ編」。TOPPANグループが提供するメタバースサービス「メタパ」内に、里山をモチーフにしたメタバースを構築し、ミツバチの役割や里山での生活を、動画や3Dアニメーションで見て学べるようにしている。
ミツバチが周りを飛び回っているかのよう
メタバース動物園のコンセプトは「リアルの動物園を超える体験で、本当の動物の生態を知ろう」。TOPPANグループの保有するメタバースの技術・ノウハウと、TBSの豊富な映像アーカイブの組み合わせで実現させている。
TOPPANとTBSの担当者を取材した。今回、メタバース上でリアルに再現した女王バチや働きバチ、オスバチの特有な形態と動きに注目してほしいそう。
「働きバチ、オスバチ、女王バチの形態比較や、巣箱の内部構造観察などを通して、ミツバチという、人間と関係の深い生物をより詳しく知ることができます」
さらに、ヤマハの立体音響ソリューション「Sound xR」により、まるでミツバチが自分のまわりを飛び回っているような音響体験もできる。
今後も前述のコンセプトにのっとって動物を取り上げ、「メタバースならでは、メタバースだからこそできる体験」をユーザーに届けていくという。
将来的には、メタバースのみならず、「子どもたちに、自然や生き物への興味/関心の対象を広げ、地球環境について考えるきっかけづくりに貢献する」という目的のもとに、両社ならではの知育コンテンツを開発していきたい、との考えもあるそうだ。
スタンプを集めてアバター製作も
同イベントでは、このほかに「AR昆虫採集スタンプラリー」や「アバター製作体験」も楽しめる。スタンプラリーは、会場内に設置されたARマーカーを、体験型XR観光アプリ「ストリートミュージアム」で読み取ると、アプリ上にCGでリアルに再現された昆虫が表示され、スタンプとして収集できる。
アバター製作体験は、スタンプをすべて集めた特典だ。TOPPANグループが提供する「MetaClone スタジオ」を活用し、即時生成された自分そっくりのアバターがイベントオリジナル背景の中をウオーキングするアニメーションを作れる。