いま最も学生が注目する企業ランキング 上位20社の魅力は「転職・起業を視野に、自分の成長が期待できる」【2025年卒就活生】

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   2025年卒就活生の就職活動が2024年3月1日、企業の採用説明会が解禁されたことによって本格的に始まった。

   そんななか、就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワーク(東京都渋谷区)が3月18日、「25卒就活生の注目企業ランキング」を発表した。

   学生優位の「売り手市場」が続いているが、どんな魅力のある企業が注目を集めているのか。調査担当者に聞いた。

  • 就活生は企業のどこに注目しているのか
    就活生は企業のどこに注目しているのか
  • 入社後、活躍したい
    入社後、活躍したい
  • 面接でアピールを
    面接でアピールを
  • 面接でアピールを
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  • 就活生は企業のどこに注目しているのか
  • 入社後、活躍したい
  • 面接でアピールを
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1位アクセンチュア、2位NTTデータ、3位キーエンス

   OpenWorkは、社会人の会員ユーザーが自分の勤め先企業や官庁など職場の情報を投稿する国内最大規模のクチコミサイト。会員数は約620万人(2024年2月時点)という。

   OpenWorkでは、企業の評価を「待遇面の満足度」「社員の士気」「風通しの良さ」「人事評価の適正感」など8つの指標を5段階で評価している。

   今回の調査は、OpenWorkに登録する25卒の学生ユーザー16万3754人が、OpenWork上で検索した企業を集計した。検索数が多いほど注目度が高い企業というわけだ。

   その結果、2年連続1位に外資系コンサルト会社のアクセンチュア。2位にNTTグループ一員で情報サービス大手のNTTデータ、3位に自動制御機器開発・販売のキーエンス、4位に総合エレクトロニクスメーカーの富士通、5位にインターネットメディア・広告のサーバーエージェントという順番になった【図表】。

(図表)25年卒就活生の注目企業ランキング(矢印は前年より上昇、維持を表わす)(オープンワーク作成)
(図表)25年卒就活生の注目企業ランキング(矢印は前年より上昇、維持を表わす)(オープンワーク作成)

   昨年(24年卒就活生)と比較すると、上位20社の顔ぶれに大きな変化はないが、エン・ジャパン(15位)、NEC(17位)、三菱UFJ銀行(19位)、オービック(20位)が新たにランクインした。

   業界別では上位20社に「SIer、ソフト開発、システム運用」が最も多い5社。次いで「コンサルティング、シンクタンク」から3社がランクインした。最先端企業とコンサル系の人気の高さがうかがえる。

   就活生は、こうした企業のどこに魅力を見出し、注目しているのだろうか。

市場での高いシェアと、スキルを磨く環境が豊かな企業

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当したオープンワーク広報に話を聞いた。

――トップ5社には、どんな特徴、魅力があるのでしょうか。

オープンワーク広報 ランキング全体に見られた傾向ですが、上位5社に入ったアクセンチュア、NTTデータ、キーエンス、富士通、サイバーエージェントは、それぞれ市場で高いシェアを持っている企業です。

OpenWorkのクチコミには、そうした企業でスキルを獲得することなど、成長を期待できる環境があることを入社の決め手として挙げる声が見られました。

たとえば、各社こんなコメントが寄せられています。

アクセンチュア「(入社を決めた理由は)早めに独立するという目的があった。最短で経営スキルを身につけられるのではないかと言う理由で、いくつかの内定の中からこの会社に決めた」(コンサルタント、男性)

NTTデータ「プロジェクトマネージメントと基盤環境の構築においてはとても高いレベルにあると思う。基盤はクラウドを扱っている部署も多く、市場価値を確保しやすいと思う」(システムエンジニア、男性)

キーエンス「(入社を決めた理由は)成長する土台がある。新卒として入れば転職市場でそれなりには戦えそうと考えた」(営業、男性)

新卒入社した企業で定年まで勤め上げるという働き方は変わりつつあります。早くも就職活動や就職の段階で将来的な起業や転職、キャリアアップを見据え、汎用性が高く市場価値の高いスキルを身につけられることを重視していることがうかがえます。

――なるほど。入社の段階で将来の転職を考えているわけですね。新たにランクインした4社、エン・ジャパン、NEC、三菱UFJ銀行、オービックは、どういう魅力があり、ランクインしたのでしょうか。

オープンワーク広報 今回の調査は、学生ユーザーがOpenWork上で検索した回数の多い企業でランキングを作成しております。4社とも業界を代表する企業ですから、就活生の注目を集めやすいことが考えられます。

そのうえで、4社の評価スコアやクチコミを見ると、若手社員が成長実感を得られる環境であること、そして、ステップアップにつながる社内異動制度や自己研鑽の機会が豊富であることが見て取れました。

たとえば、エン・ジャパンは「20代成長環境」スコアが4.6点と人材サービス業界の中で5位と高評価です。

クチコミでは「労働に対する対価をより難易度の高いミッションで得ることができます。若いうちから難易度の高い、責任の伴う仕事に携わることができるのはこの会社の良いところかと思います」(営業、男性)といった意見が寄せられています。

また、NECには「キャリアは自分で選択可能。社内異動制度やオンライン学習サービスが充実している」(システムエンジニアE、男性)などの声が見られました。ここでも、将来の転職を視野に入れたキャリア観を前提に、成長環境を求める傾向がうかがえます。

コロナでがらりと変わった、企業と業界の「栄枯盛衰」

――上位20社を見ると、ほかの就職人気企業ランキングでは必ず上位に並ぶ5大総合商社が入っていませんね。
また、オープンワークが最近発表した「コロナ時代の新卒入社者が成長環境を評価する企業ランキング」(2024年3月18日)
「コロナ時代の新卒入社者が成長環境を評価する企業ランキング」を発表しました(働きがい研究所 調査レポートvol.119) | オープンワーク株式会社 (openwork.co.jp)
では多くランクインした外資系企業が、今回はアクセンチュアと日本IBM(米国)の2社しか入っていません。
それぞれ敷居が高いということでしょうか?

オープンワーク広報 あくまで学生ユーザーの検索回数からランキングを作成しているため、検索したユーザーが実際に総合商社などの企業の選考を受けるかどうかまでは推察することはできません。

ただ、外資系企業が比較的少ない理由として、一般的に選考時期は外資系企業のほうが早いことが挙げられると思います。今回は3月4日時点のデータをもとにランキングを作りました。したがって、3月1日の採用広報解禁と同時期に企業を調べ始めたユーザーが多いため、外資系企業の検索回数が高くならなかったことが考えられます。

――過去の「就活生の注目企業ランキング調査」を振り返って、就活生の意識の変化や特徴に気づくことがありますか。

オープンワーク広報 オープンワークが「就活生の注目企業ランキング」を発表したのは2020年が初めてです。
今回上位3社にランクインしたアクセンチュア、NTTデータ、キーエンスはランキング上位の常連ではあります。ところが、近年、就活生を取り巻く環境として最も大きな出来事であったコロナ禍の前後を比較すると、就活生の関心にも変化が見取れます。

2020年2月に発表した「21卒就活生が選ぶ、就職注目企業ランキング【大学別編】」では、男女それぞれの上位20社にランクインしていた航空やレジャー系企業が、翌年発表の「22卒就活生が選ぶ、就職注目企業ランキング【男女/文理編】」では上位20社から漏れる結果となりました。これらの業界や企業がコロナ禍の影響を強く受けたことが要因と考えられます。


21卒就活生が選ぶ、就職注目企業ランキング【大学別編】 OpenWork 働きがい研究所
22卒就活生が選ぶ、就職注目企業ランキング【男女/文理編】 OpenWork 働きがい研究所

――企業や業界の栄枯盛衰が就活に反映しているわけですね。今回の調査で特に強調しておきたいことや、担当者として面白いと感じたことはありますか。

オープンワーク広報 学生ユーザーの中には、一般的によく知られている有名企業や大企業だから、といった理由で、検索をした方も少なくないかと思います。

ただ、就活生から毎年のように注目を集める企業でも、強みや企業風土といったカルチャーはそれぞれです。5点満点の評価スコアだけでなく、その企業で実際に働く先輩社員が投稿した定性コメントを合わせて読んでいただくと、企業の姿がより立体的に見え、納得のいく就活に近づくのではないでしょうか。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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