介護と仕事の両立、96%が「難しい」 だが、「介護離職」すると「精神・肉体」追い込まれる...どうしたらいいか?専門家に聞いた

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介護する側の自分自身の体力に、自信を持てるか?

   J-CASTニュースBiz編集部は、研究顧問として同調査を行い、雇用労働問題に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに話を聞いた。

――現在、介護をしている人が約1割超、いずれ介護することになりそうだと思っている人が過半数というこの数字、どう思いますか。

川上敬太郎さん いま介護に携わっている人だけに限ると、約1割超と少数派です。ところが、いずれ介護することになりそうな人も含めると、6割近い多数派です。

多くの人が介護を他人事ではなく、自らにも起こりうる身近な問題として認識している様子がうかがえます。

――しかし、法律で介護休業や介護休暇があることを知らない人が4人に1人、内容を知っている人も3割にとどまっていますね。

川上敬太郎さん 少ない印象を受けますが、決して介護を他人事と思っているわけではないとしても、いつその機会が訪れるかはわからない......。それだけに、必ずしも具体的に準備を進める心構えになっている人ばかりではないということかもしれません。

――介護と仕事の両立が難しいと考える人が約96%もいます。しかし、「とても難しい」と回答した人の比率が「介護はしていない」人のほうがかなり高いのは、どういうわけでしょうか。

川上敬太郎さん 「介護と仕事の両立が難しい」と感じていることには変わりないものの、難易度の認識では、「介護はしていない」人のほうがより難しそうに感じているようです。これは、具体的なイメージが描きにくい分、より難しそうな印象を受けやすいということなのかもしれません。

――フリーコメントでは、さまざまな意見が寄せられています。私は「育児と異なり、親の衰退を見て援助していくことになり...心身のバランスが取りづらい」という声にジーンときました。川上さんは、どの意見に注目しましたか。

川上敬太郎さん 「両立は可能」といった声に勇気づけられる一方、「徘徊の心配」や「排便やお風呂の介助は体力が必要」などの声もあるように具体的にどのような介護をすることになるのかは人それぞれ異なり、それを事前に予測するのは難しい面があると感じました。

また、40代の方から「親の介護する時は自分の年齢も上がっているため、体力的にきついと思う」という声が象徴的ですが、ご自身の体力面を心配する声が多く見られました。過半数の人がいずれ介護することになりそうだと感じているものの、その時に自分の体力がどういう状況になっているのか。これを予測することもまた、難しいことです。

介護する自分自身に負担がかかり過ぎると、介護自体ができない状態になる心配もあります。仕事と両立させるための時間などのやりくりだけでなく、ご自身の体力面のケアも含めてどうコンディションを保つか。これが、これから介護しなければならないと考えている人に共通する不安の1つなのだと感じました。
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