東京外国為替市場で2024年3月27日、円売りドル買いの動きが進み、円相場は一時、1990年7月以来、34年ぶりに安値を更新した。
22年10月に付けた1ドル=151円94銭の安値をさらに下回った。
介入への警戒感広がるか
日銀は3月19日、マイナス金利政策を解除し、17年ぶりの利上げを決めたが、当面、低金利の金融緩和状態が続くとの観測が広がった。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ圧力が強い中で急速に利上げを行い、利下げ時期が先に延びるとの見方が出ている。
日米間で開いた金利差が続く状況となり、投資家の間で、金利が高いドルで運用した方が得策だとして、円売りが進んでいる状況だ。
今後は、政府・日銀が為替介入に踏み切るかが焦点になった。鈴木俊一財務相は、27日に記者団の前で、「高い緊張感を持って市場の動向を見ている」としたうえで、「行き過ぎた動きには、あらゆるオプションを排除せずに、断固たる措置を取っていきたい」と述べた。
政府は22年、151円94銭をつけた直後に、円買い・ドル売りの為替介入に踏み切っている。鈴木財務相の今回の発言で、市場に介入警戒感が広がる可能性があるが、さらに円安圧力が続いており先行きは不透明だ。