紙質や紙の名前...実は「多少の変更・改良」あった
それでは、今までデザイン変更の話はなかったのか。X担当者は「大昔にはなりますが、一度デザイン変更しようかという議論もあったようです」。
「当時の会社上層部の者たちがデザインの一新を試みたようですが、創業者の奥様がデザインの変更を断固拒否したそうです。その決断がなければ、今のデザインはなかったかもしれません」
また、今まで大幅なデザイン変更はなかったものの、「実は多少の変更・改良がございます」と明かす。
その一つに「紙質」を挙げ、「発売当時(昭和22年)より現在の方が、抄造(紙を作る)技術が向上していますので、紙質は良くなっていると思います」と説明した。
「紙の名前」も変更があったという。
「表表紙の下に小さな文字が書いてありますが、これは本文に使っている紙の名前になります。昔は『十条製紙特漉フールス』と記載がありましたが、その後十条製紙は合併してしまいましたので、現在は『ツバメ中性紙フールス』と記載されています」
また、発売から70年以上というロングセラー商品ならではの変更もある。
「裏表紙は昔とだいぶ変わっています。例えば発売当時にはなかったのですが、1970年代からバーコードが普及したことで、今では裏表紙にバーコードの印刷が追加されています。バーコードがないとお店でお会計ができないですからね」