小まめにメール、明細のチェックが大切
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった国民生活センター相談情報部の山之内優花さんに話を聞いた。
――リポートでは、相談が寄せられた子どもの無断課金の平均額を約33万円としています。しかし、相談事例をみると、10万円以下が大半で事例5だけが約55万円です。厳密に考えていくと、ほかに数百万円の多額の課金ケースがないと、計算が合わないのではないでしょうか。
山之内優花さん じつは、100万円単位の多額な課金ケースがないわけではありませんが、さまざまな懸念があるため、あえて明記しませんでした。
――それにしてもなぜ、多額の無断課金を親が許してしまうのでしょうか。
山之内優花さん ケースとしては数万円単位の課金でもそうですが、気がつくまでに数か月とか半年以上とか、遅すぎたのですね。
何度かクレジットカード会社からメールが来たり、明細書が来たりしましたが、いちいち確認することが煩わしかった。そのまま放っておいたら、ある日、巨額の課金がわかり、ショックを受ける。こういうケースがほとんどです。やはり、小まめにメールや明細をチェックすることが何より大切になります。
――事例をみると、言い方はあまりよくないですが、子どもでもけっこう「悪知恵」を働かせていますね。
親のクレジットカードを使うために、アカウントのパスワードを変える(事例1、事例3)。課金するには母親の指紋認証が必要なのに、友だちから指紋認証の追加の方法を教わり、自分の指紋を追加する(事例2)。親も忘れている数年前のクレジットカード情報入力を覚えている(事例5)などしています。
人間に対して「性善説」と「性悪説」がありますが、親は自分の子どものスマホゲームに関しては、「性悪説」で臨んだほうがいいということでしょうか。
山之内優花さん 子どもはもともと未熟な存在です。ゲームに熱中するあまり、「もっと続けたい」「バレなければいいや」などと、悪気はありませんが、「抜け道を探して課金したい」と思うことがあるのでしょう。
現在は、インターネット動画でアカウントのパスワードを変更したり、指紋認証を追加したりする方法を簡単に知ることができます。そうしたことやっても、子どもには、どのくらいの金額になり、どれだけ親の負担になるかという認識が働かないと思います。