たかが、オープン戦とはいえない――。
中日ドラゴンズがオープン戦で10勝5敗5分の好成績を残し、ソフトバンクと並んで1位タイに。オープン戦を首位で終えたのは実に21年ぶりだ。
2年連続最下位からの巻き返しを図る中、いいかたちで開幕戦を迎える。
オープン戦最終戦、立浪監督の表情ほころぶ逆転サヨナラ勝ち
2024年3月15日以降、引き分けを挟み6連勝だ。5得点以上奪った試合はゼロと打線が爆発したわけではなかったが、少ないチャンスで得点を着実に奪った。
5試合が1点差ゲームと接戦に強い。オープン戦最終戦となった24日のロッテ戦(バンテリン)は、昨シーズンまでとは一味違う戦いぶりだった。
その試合では、8回まで無得点と打線が沈黙したが、9回に先頭の三好大倫が左翼線に二塁打を放つと、田中幹也が犠打をきっちり決めて一死三塁に。
ここで代打・中島宏之が起用されると、フルカウントから中前にはじき返す適時打で同点に追いついた。
球場のボルテージが上がる中、攻撃はここで終わらない。
続く細川成也が左前打で1死一、三塁と好機を広げると、新外国人のディカーソン(前・米独立リーグ)がサヨナラの右犠飛。逆転サヨナラ勝ちに、立浪和義監督の表情がほころんだ。
「中日の投手陣はセ・リーグトップクラスの陣容」
「中日の投手陣はセ・リーグトップクラスの陣容です。それだけに打線が機能すれば、リーグ優勝は厳しいかもしれないが、クライマックスシリーズ(CS)圏内の3位以内は十分に手が届く。
シーズンでもオープン戦のようなソツのない試合を重ねられるかどうか。台風の目になる可能性がありますよ」
スポーツ紙記者はそう指摘する。
中田翔、ディカーソン、上林誠知、中島の加入で野手陣の層が一気に厚くなった。生え抜きの選手も負けられない思いが、相乗効果につながっている。
オープン戦の勢いそのままに、開幕ダッシュを狙う。(中町顕吾)