プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手(35)が開幕2軍スタートすることになった。複数のスポーツ紙が2024年3月24日に報じた。
大リーグのニューヨーク・ヤンキースから日本球界に復帰して4年目となる今シーズン、田中の復活はあるのか。
J-CASTニュースは、楽天のヘッドコーチ時代に田中とともに戦った経験を持ち現在、オイシックス新潟アルビレックスBCで監督を務める橋上秀樹氏(58)に分析してもらった。
「ピッチャーが豊富なチームならば、先発ローテーション入りは難しい」
古巣・楽天に復帰した田中の21年シーズンは23試合に先発して、4勝9敗と大きく負け越した。22年シーズンは25試合に先発して、9勝12敗と負け越した。
さらに23年シーズンは、日本で初めて防御率4点台(4.91)を記録するなど安定を欠き、7勝11敗。23年10月に右ひじのクリーニング手術を受けた。
3年連続で負け越した結果、オフの契約更改では年俸が大幅にダウン。スポーツ紙などの報道によると、昨シーズンの年俸4億7500万円プラス出来高払いから減額制限(1億円以上は40%)を超える約45%減の推定2億6000万プラス出来高払いで単年契約を結んだ(金額はいずれも推定)。
年俸が大幅ダウンしたが、日米通算200勝まであと3勝に迫っており、記録達成が今シーズンの大きなモチベーションとなりそうだ。
橋上氏は楽天の今シーズンの戦力を踏まえて、田中の起用法などを分析した。
橋上氏は
「ピッチャーが豊富なチームならば、先発ローテーションに入るのは難しいところですが、楽天の今季の陣容を見ると先発ローテーション入りの可能性はまだあると思います。状態が上がってくれば、先発で何試合か先発させると思います。日米通算200勝があと3勝に迫っていますので、チームに最低でも200勝を達成させようという考えはあるでしょう。田中選手にとっても一つの区切りになるでしょう」
と解説した。
「全盛期を100とすれば、今は7割くらい」
大リーグに移籍する前の楽天時代を知る橋上氏は、田中の現状を「全盛期を100とすれば、今は7割くらい」と評し、次のように持論を述べた。
「日本に帰ってきてからの投球をみると、マウンド上での躍動感があまりない。年齢とともに球のスピード、切れがなくなってきている。球威が落ちている分、投球術や変化球の制球でごまかせる部分が多少あったが、昨年あたりから制球もままならなくなり、変化球の切れにも陰りが見えてきた。完全に技巧派として今からスタイルを変えることができるか。それができれば、あと何年かは投げることができると思います。が、現在のスタイルは中途半端に見えます。技巧派でもなければ本格派でもない」
橋上氏は田中のプロキャリアにおいて、今シーズンは大きな意味を持つという。今後、より長く現役を続けていくうえでは、投球スタイルを変える必要性があると指摘した。
「もともとどちらかと言えば、スライダーピッチャーなので、もう少しスライダー、フォークの精度を高めるとか、ストレートの割合をもう少し減らして新しい球種を入れるだとか......そういうことをすることによって、現役の年数が伸びる可能性もあると思います。投球スタイルの変更を視野に入れないと、この先は厳しいと思います。 ただ、オープン戦を見る限り、昨年の秋の右肘の手術の回復具合が100%ではないように見えます。今は使える状態にないと思いますので、今後どれだけ状態が上がってくるかを見極めながらの起用になるでしょう」
スポーツ紙の報道によると、永井怜投手コーチ(39)は田中に1軍で戦える体を準備させるために、3月中に行われる2軍戦に登板させない方針を明かしたという。
楽天は29日の開幕戦(楽天モバイルパーク宮城)で西武と対戦する。