「正義」に反すると判断されたとき
SNSを中心にした不買運動が起こるきっかけは、「正義を掲げる人々がいて、彼らの正義に反すると判断されたとき」だと田中教授。例えば、前述のキリンの不買運動は、ウェブ広告に起用された成田悠輔氏が「集団自決」との表現を用いたことがきっかけだ。
「(今回の)不買運動はリベラル系からです。これは『集団自決』という言葉が沖縄での戦争体験として強烈な負のイメージになっているためだと思います。沖縄での戦闘は悲惨であり、集団自決はその象徴の一つです。その言葉を使われたことへの反発としてあったと思います」
不買運動を起こす消費者側のメリットは、問題の認知度が高まる点。「なぜ運動が起きているのか」と疑問が広がるためだ。デメリットは、消費者が商品を買えなくなることにある。
企業側にとっては、自社の評判の低下に繋がることがデメリット。だが、田中教授は「不買運動で売り上げが実際に下がった例は、まれです」とも指摘した。