「気持ち悪い」という印象を持たれがちな爬虫類。それに一石を投じるようなメッセージが、北九州市が運営する施設の爬虫類コーナーに置かれている。設置されたのは数年前だが、最近になって改めてXで話題になっている。
「お子様自身から出てくる感情を大切にしてあげてください」
2024年3月11日、Xユーザーのぎーの(@OnoRuaRima_262)さんが投稿した写真。これはぎーのさんが北九州市立水環境館(小倉北区)の爬虫類展示コーナーで撮影した看板の写真で、そこには次のように書かれている。
「爬虫類コーナーをご覧の大人の方へ
ヘビに対して『気持ち悪い生き物』という印象をお持ちの方は多くいらっしゃいますが、ヘビは美しく、凛々しさが溢れている生き物です。お子様(特に未就学の幼児期)は、保護者の方が『気持ち悪い』と言うと、その価値観をずっと植え付けられてしまうことがあります。お子様はヘビを見て『カッコイイ』や『カワイイ』と思っているかもしれません。人それぞれの好みがありますが、生き物が持つ力強さを感じたうえで、お子様自身から出てくる感情を大切にしてあげてください」
ヘビを「気持ち悪い生き物」と決めつけるのではなく、子ども自身から出てくる言葉、子供の感性を大事にしてほしいというメッセージだ。
このメッセージを見たぎーのさんは「水族館や博物館に行った際は自分のことだけではなく周りのことも考えようという気持ちになりました。また、自分の気持ちを相手に押しつけないで相手の気持ちを尊重しようという気持ちは大切にしていきたいと思いました」と語ってくれた。
この投稿には「その通りですね。反省...気をつけないと」「何て表現したらいいのかなーと前向きな議論になるといいなぁ」「めっちゃ共感です」などのコメントが寄せられている。
どのような経緯で設置されたのだろうか。J-CASTニュースは21日、このメッセージを書いた水環境館の職員に話を聞いた。
「『お静かに』という意味も含めて」
メッセージが設置されたのは21年10月。展示ケージ照明用の電源コードが周りにあるため、柵の意味を込めて設置したという。
「文章については特に意味があるわけではないですが、ヘビが苦手な方も多く、まれに騒ぐ方もおられましたので、もともと別の種類であるシマヘビの展示解説パネルに書いていた文をA1サイズに印刷し直して設置しました。正直、イベントのポスター等何でも良かったのですが、爬虫類コーナーですので、それに合うものをということで『お静かに』という意味も含めて、このパネルを設置しました」
また他の施設からも「参考にしたい」との声があったそうで、反響があったという。
「幼児教育施設の指導者の方から、スタッフ同士で共有して参考にしたいとのご連絡をいただいたことがあります。また、沖縄県の施設で開催された昆虫の企画展でも参考にしていただいたようです。コンセントの目隠しとして置いたというのが私のもともとの動機でしたので、ここまで皆様に読んでもらえて驚いているとともに、嬉しさと恥ずかしさが混在しているような気分でおります」
大人の方へ… pic.twitter.com/wdd1lZNkY1
— ぎーの???? (@OnoRuaRima_262) March 11, 2024