プロ野球の2024年シーズンが3月29日に開幕する。
セ・リーグでは昨シーズンの覇者・阪神は東京ドームで巨人と対戦する。昨シーズン2位の広島は敵地・横浜スタジアムでDeNAと対戦し、同5位ヤクルトは地元神宮球場で中日を迎える。
今季のペナントレースはどのような展開になるのか。J-CASTニュースは、巨人、ヤクルト、西武、楽天でコーチを歴任し、現在はオイシックス新潟アルビレックスBCで監督を務める橋上秀樹氏（58）に順位予想をしてもらった。
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巨人の本拠地・東京ドーム -
若きエース・戸郷（侍ジャパン公式インスタグラムより） -
主砲・岡本（侍ジャパン公式インスタグラムより） -
守護神・大勢（侍ジャパン公式インスタグラムより） -
守備の要・大城（侍ジャパン公式インスタグラムより）
苦戦の阪神「連覇の難しさがオープン戦から現れている」
今シーズンのセ・リーグ球団のオープン戦結果を見てみると、3月18日時点で中日（6勝5敗4分け）と、ヤクルト（6勝5敗1分け）が勝率で並び12球団中6位タイだ。
これに、広島（8位、5勝5敗4分け）、巨人（9位、5勝6敗）、DeNA（10位、3勝5敗5分け）が続き、阪神が1勝11敗1分けで12球団最下位となっている。
橋上氏はオープン戦での成績を踏まえ、
「今年は戦力的に巨人と阪神が抜けていると思っていましたが、オープン戦とはいえ阪神の状態がよくない。連覇の難しさがオープン戦から現れている感じがします。戦力的には昨シーズンとあまり変わっていませんが、昨年の状態を100とすると個々の状態が100まで上がりきっていない選手がかなり多い」
とし、昨シーズン4位に終わった巨人を1位と予想した。
つづけて橋上氏は
「去年は阪神が岡田新監督で優勝しました。監督が代わった初年度はいろいろな意味で前年から大きく変わることがあります。監督1年目でリーグ優勝することはけっこうあることですし、戦力が投打にわたって比較的揃っているのが巨人と阪神。その中で、阪神があまりよくない。そうなると、巨人が優勝候補筆頭になると思います」
と分析した。
橋上氏は12年に巨人の戦略コーチに就任し、チームの日本一に貢献した。また、阿部慎之助監督（44）の現役時代にはコーチとして指導した経験を持ち、東京・安田学園高校の後輩でもある。
そんな阿部監督の性格をよく知るという橋上氏。原辰徳監督に代わり、今シーズンから指揮を執る阿部監督に、橋上氏は「新監督がチーム与えるメリット」を次のように解説した。
「DeNはピッチャーだけならば、セ・リーグで1番いいかも」
「監督が代わることによってそれまで評価の低かった選手が、新たな気持ちでトライしようという気持ちになるので、昨年まで活躍できなかった選手が活躍しだして、チームの成績につながることがある。 巨人は若手の活きのいいピッチャーがくすぶっていたところがあるので、監督が代わったことによってプラスに作用する可能性がある。菅野（智之）投手や戸郷（翔征）投手に続く、山崎（伊織）であったり赤星（優志）であったり。次に出てくるピッチャーが安定した結果を出せると思います」
さらに、阿部監督の選手起用については、
「阿部監督はキャッチャー出身なので、どちらかといえばディフェンスの方を中心に考えていると思います。攻撃を前面に出して戦うのは、どうしても戦い方が不安定になる。前監督の原監督が攻撃に特化したかたちで選手を起用していましたが、守備重視、投手力重視という方が勝つ確率が高いと思います」
と分析した。
2位に予想したのは昨季3位のDeNAだ。橋上氏は2位に挙げた理由を次のように説明した。
「今永（昇太）投手とバウアー投手が抜けて厳しいかと思ったが、投手陣が安定している。先発陣を含めて、巨人と互角以上に戦えると感じました。オープン戦の段階ですが、DeNAのピッチャーは頭数がそろっていて内容もいい。東（克樹）投手、濱口（遥大）投手、石田（健大）投手の左投手3枚がいる。大貫投手、平良投手の他に、外国人投手もよさそうなのでピッチャーに関してはかなりの安定感がある。ピッチャーだけならば、セ・リーグで1番いいかもしれません」
「中日は中田翔選手の加入で順位が上がる」
3位は、昨季の覇者・阪神とした。
橋上氏は
「当初は阪神の連覇の可能性が高いと思っていたが、投手力の陰りがオープン戦で見えた。もしかしたら大幅に順位を落とす可能性もあると感じました」
と、阪神の現状を分析した。攻守については、こう見ている。
「阪神はオープン戦といえども負け方がよくない。打つ方も、守る方も、投げる方も、すべてにおいてよくない。オープン戦後半になると、今シーズンを見越したメンバーが固まってくるが、まだそこまで色付けができていない感じがあります。 昨シーズンの優勝の原動力になった投手力に関しては、安定感を欠いている。攻撃面では昨シーズンは四死球が増えて出塁率が上がったことが得点力向上の顕著な部分でした。ところが、今シーズンは、他の5球団はそこを十分にわかっているので、ストライクゾーンでの勝負が増えてくるでしょう。そうなると、昨シーズンほど四死球がもらえなくなるので、得点力が落ちてくると思います」
4位は広島、5位は昨シーズン最下位の中日、そしてヤクルトを6位と予想した。
「中日は中田翔選手が加入したことによって、昨年より1つくらい順位が上がると思います。中日を5位としたのは、ヤクルトにプラス要素があまりないこともあります。広島は4位と予想しましたが、阪神が想像以上に落ち込んだ場合、広島の3位もあると思います」
昨シーズンはリーグ優勝した阪神が日本シリーズでオリックスを下し、38年ぶりの日本一となった。今シーズンはどのようなドラマが待っているのか。
プロ野球はセ・パ両リーグともに29日に開幕する。
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?プロ野球 (2024/3/17)
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