「給与の不満」は「仕事の不満」に他ならない
Aさんが強調したいのは、「給与の不満」とはいっても、お金のことばかり考えていると誤解されたくない、実際には「仕事内容の不満」に他ならないということだ。
「この調査では『給与への不満』と『仕事(業務内容)への不満』が別々になっていますけど、切り離せない関係がありますよね。給与が安いということは、それなりの仕事しか与えられていないということ。『この仕事の延長線上には、安い給与しかない』ということくらい分かります」
やや語弊があるが、Aさんは「安い仕事をしたくない」ということだと思われる。上の世代が「安い仕事で実績を上げて、認められてから高い仕事を任される」と考えるのに対し、Aさんは「最初から高い仕事を任されたい」と考えている。
「若いうちから高い給与の仕事に関わりたいと考える同世代の女性は多いと思います。だって、やらせてもらえれば、できることだってあるんだし、仮に失敗しても将来に必ず役に立つじゃないですか」
Aさんがいま気になっているのは、管理職の給与が思ったほど高くないことだ。
「うちの社長は、プロセス評価を無視して『マネージャーは結果責任』が口ぐせなんですが、オーナー社長ならともかく、中間管理職にできることなんて限られていますよね。そんなリスクある仕事、いまの給与の1.5倍から2倍くらいもらわないとできないですよ。いつかマネージャーの給与が高い外資ITに転職できればいいな、と考えていますけど。この会社にいつまでもいるつもりはありません」