20代の正社員を対象とした調査によると、これまで一度でも「転職」を検討したことがある人の割合は47.7%と半数近くを占めた。実際に転職した人は、転職を検討したことのある人の74.1%、全体の35.3%にのぼった。
転職を経験または検討したことのある人に、検討し始めたきっかけについて尋ねたところ、「給与への不満・問題」と答えた人が39.9%と最も多く、次いで「仕事(業務内容)への不満」が36.4%、「人間関係への不満・問題」が33.6%を占めている。
上司は「チャンスはいつか来る」と言うけれど
この調査はプログラミングスクール「SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)」が、会社員(正社員)として働いている全国の20代300名を対象に実施したものだ。
「給与への不満」を転職のきっかけとする人が最大だったことについて、調査元のレポートは、このように論評している。
「キャリアアップや異業種/異職種への挑戦など、前向きな理由がきっかけで転職を検討している人は少数派で、現職に対する何かしらの不満から転職を検討し始める人が多数であることが判明した」
しかしエンジニアの20代女性Aさんは、このコメントに違和感を抱いたという。
「給与が不満で転職するって、十分キャリアアップ志向だし、前向きな理由じゃないですかね? 転職もしないで同じ会社で働きながら、毎日ブツブツ文句言っているわけじゃないんだから」
Aさんは最初の就職で大手メーカーの事務系の仕事についたが、給与に不満を抱き、会社を半年で辞めて職業訓練校へ。プログラミングを学び、勉強を重ねて外資系ITの資格を取得。中小のIT企業に転職した。
ところが入社早々、希望に反してヘルプデスクに配属。1年目が終わるときに異動の希望を出したが受け入れられず、入社2年目には転職の準備をし、3年目に入る前に同業の中堅企業に転職している。
「完全に会社の裏切りですからね。女だからって現場のエンジニア業務をやらせないなんて。こっちだって『ずっとこのままこの会社でこの仕事を続けていても、給与は上がらないな』と薄々わかるわけですよ。上司からは『そんなに焦らなくてもチャンスはいつか来るよ。いまの仕事をもう少し頑張ってみれば?』なんて言われましたが、そういう就社の感覚は全然ないので。あえていえば、もう1年早く辞めてもよかったかなと、ちょっと後悔しています」