見通しが立たない計画
西九州新幹線は、九州新幹線鹿児島中央方面との分岐点である新鳥栖から武雄温泉まで、どのルートで建設するか、いまだに決まっていない。そもそも、沿線自治体の佐賀県自体がフル規格新幹線の整備をしぶっている。
北陸新幹線の敦賀駅では、将来の延伸に備えた設備が設けられている。小浜市、京都市を経て京田辺市を通るルートで建設することが決まっているものの、建設費の高額さや自然環境への影響で反対の声も大きい。
どちらも、まだ着工すらしていない。着工できる状態にない。
見通しが立たない整備新幹線計画、このまま未完で終わってしまうのか、という気がしてならない。みなさまが生きているうちに、日本各地に新幹線網が完備されている様子を見られる、とは断言できない状態である。(小林拓矢)
筆者プロフィール
こばやし・たくや/1979年山梨県甲府市生まれ。鉄道などを中心にフリーライターとして執筆活動を行っている。著書『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)、『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。