企業の採用計画充足度、過去最低の厳しい状況
これほど早いペースで始まっている就職活動、焦らずに自分に合った会社を見つけるにはどうしたらよいか。J-CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった「就職みらい研究所」の栗田貴祥所長に話を聞いた。
――3月1日現在の内定率が40.3%(前年比10.0ポイント増)と驚異的な数字になっています。
卒業年次前年の3月1日からの採用広報解禁スケジュールはこれまでと同じなのに、過去の数字と比べても異常なほど高いですが、こんなにスピードアップした理由は何ですか。
政府が要請している就活ルールが守られず、フライング傾向が高まっているということでしょうか。
栗田貴祥さん 2025年卒の大学生の3月1日時点の内定率40.3%は現行の就活スケジュールとなった2017年卒以降の3月1日時点で、最も高い数値となりました。
2017年卒の3月1日時点の就職内定率は4.6%でしたので、実に約9倍になっていることからも、就活のあり方が大きく変わってきていることは明らかと思われます。
2月1日時点の内定率の際もお答えしましたが、企業側の採用意欲の高さから、選考、内々定・内定出しのスケジュールが前年よりも前倒しになっており、この高さになっていると推察されます。
エリア別で見てみても、「関東」が42.1%と前年比で6.3ポイント、「中部」が39.3%と7.1ポイント、「近畿」は44.2%で10.7ポイント上がっています。「その他地域」も18.0ポイント上がり33.4%となり、2月1日時点に引き続き、エリアを問わず内定率が高いことがわかります。
また、当研究所の『就職白書2024』という調査で、企業側への調査項目で、2024年卒採用について採用計画に対し、採用充足したと回答した企業の割合は36.1%と、前年に続き調査開始の2012年卒以来で最低値を更新。厳しい状況が続いており、企業側は採用人数確保のために選考や内定出しを早め早めに動いているのではないかと考えられます。