金沢市の老舗商社・三谷産業が「週休3日制」を導入 給与は変わらない? 会社に聞いてみた

会社の考え「働き続けられる人がより増えるのではないか」

   なぜこのような社員が対象になるのか。通常の「週5日・1日8時間」を基本とした働き方が難しい人たちと判断したのだろうか。

「そのように断言するものではありませんが、ライフスタイルの変容に合わせて、週休3日制が選択肢のひとつとしてあれば、働き続けられる人がより増えるのではないかと考え、対象者を決めております。なお、当社の1日の勤務時間は、本制度導入以前より7.5時間勤務となっております」

   今回の制度の導入にあたり、三谷産業ではさまざまな企業や国の施策を参考にしたとのこと。一般に「週休3日制」には、以下の3つのパターンがあるとされる。

   1つ目は、総労働時間が減っても給与が変わらない「給与維持型」。2つ目は、休日の増加とともに総労働時間が減って給与も下がる「給与減額型」。3つ目は、総労働時間と給与のどちらも変わらない「総労働時間維持型」だ。

   「給与維持型」は実質的な増額となるため、働く人たちからは当然これを期待する声が多い。「給与減額型」にはネガティブな意見が多い一方で、「給与が減ってもいいから、とにかく休みを増やしてほしい、休みたい」という人もいる。

   三谷産業は「総労働時間維持型」で、週の総労働時間は37時間30分で週休2日制と同様。現在国家公務員を対象に可能とされている「選択式週休3日制」に近い内容となっている(国家一般職の週の総労働時間は38時間45分)。

   勤務時間法では、育児や介護等の事情がある職員のみ、フレックスタイム制の活用により勤務時間の総量を維持した上で、週1日を限度に「勤務時間を割り振らない日」を設定することを可能にしている。対象者も、三谷産業の制度に近い。

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