人海戦術で社内を回り「〇〇部、つくりません?」
永井さん それから実際の部活そのものがないと、関心も持てずイメージもわきません。心当たりのある一人ひとりに、立ち上げの打診に行きました。
スラックなどに上がっていたグループや、「あの人、これが好きって言っていたよね」という話が頼りでした。「ぜひサッカー部つくって!」「スキー・スノボ部つくりません?」などと、人海戦術で回りました。私自身も、自分が好きな「クラフトビール部」をつくりましたしね(笑)。
前川 人事担当の永井さんが「〇〇部つくって!」と社内を回るなんて(笑)。みなさん、どんな反応なんですか?
永井さん 初めはみんな、笑っていましたが、普段から社内メンバーとの関係構築には気をつけていたので「まあ、永井さんが言うならつくってみるか」と。うちの会社、いい人が多いので(笑)、ありがたいことに、みんな協力的でしたね。
前川 現時点でのレバカツの部活数や種類、参加人数など教えてもらえますか。
永井さん 2023年度で、22部活に801人が参加しています。参加率にすると40%で、50%が私の目標なので、くやしいですね。来年度がんばります(笑)。
前川 いや、40%でも十分にすごいですよ。部活にはユニークなものなど、どんなのがありますか。
永井さん そうですね...バイクのツーリング部や、アウトドア部。ほかにも、みんなで畑を共同で借りて農作物を作るレバタケ部とか。真面目系では、コーチング部というのもありますね。
あと、「なぞとき部」といって、みんなで大型迷路などの「なぞとき」施設に行く、カワイイ部活もあります。スタンダートなものでは、フットサルやバスケやゴルフなどもあります。
4月初めの約2週間が部活メンバーの募集期間ですので、その時期になると、新入社員に声掛けしては「昨日は何人、今日は何人入った!」と人数読みをしています(笑)。まるで、仕事の営業みたいですよね。
前川 楽しそうですね。まるで学生生活のような。ちなみにレバカツを実施しての社内のプラスの変化には、どのようなものがありますか。
永井さん 参加した社員のみなさんからは、なかなか接することのなかった他部署の人と知り合いになれてよかった、趣味を共通点にしているのでコミュニケーションが取りやすかった、同じ部活で知り合った人と仕事の話ができたなど、意図していたとおりの声はいただいています。
趣味に対して会社がお金を出してくれるという、福利厚生的な面での評価の声もありますね。それから、採用の応募者や内定者の方がレバカツのことを調べていて、社員のコミュニケーションを大切にする会社だと前向きに捉えてくれるなど、採用面でのPR効果も見られます。
前川 とてもいい成果の手応えですね。
永井さん レバカツだけでなく、他の施策も相まっての効果かとは思いますが、ここ2年ほど、社員のエンゲージメントスコアが3~4%向上しています。
前川 その数値の変化は、すごいですね! 人的資本経営が経営の関心事の時代、エンゲージメントのスコア向上に力を入れる多くの企業から羨望の的になりそうですね。