味わい求める層はほとんどいなかった
「人気を博した理由は2つ。1つは物珍しさの新奇性、もう一つは怖いもの見たさではないでしょうか」
高級のり弁当についてこう語るのは、フードアナリストの重盛高雄氏だ。
そもそも、一般的なのり弁当は、「低価格を訴求する消費者に対する受け皿として存在しています。価格優先のため、味わいを求める層はほとんど存在していなかったと言えます」と説明する。
そんななか、高級のり弁当が定着した理由は、「一見して珍しい、そして試してみようという客層に刺さったことが、ヒットした要因に挙げられます」。SNS映えも相まって、「付加価値の高いこだわり弁当」という立ち位置を獲得したようだ。
テレビ局のロケ弁として、企業の会議や研修、イベントの食事としての発注もある。新しさもあって、大規模発注する客層に好まれたのではないかと分析する。
価格については、「1000~1500円の価格設定も立ち位置として絶妙です。単なるこだわりの寄せ集めでなく、ありきたりの素材を洗練した逸品と考えるなら、のり弁当という設定も考え尽くされたという印象を受けました。」と述べた。