Z世代の早期離職ほぼゼロ レバレジーズ、なぜ若者がこれほど成長できるのか? カギは「頑張りたい人が頑張れる環境」【インタビュー】

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永井さん そうですね...弊社では、よくも悪しくも時代に逆行したポリシーを置いているからかもしれませんね(笑)。たとえば弊社では、リモートワークは奨励されておらず、出社が原則。エンジニアやデザイナーなど部門によっては認められていますし、もちろん出産・育児など必要な人の場合は別ですが、基本は出社です。
 働き方は個人に任せていますが、若手や新入社員は主体的にたくさん働いている人が多い印象があります。
 おそらく、世間一般の企業では、頑張りたくても頑張りにくい環境になってきている。でも弊社には頑張りやすい環境がある。そこが一番大きいのかもしれませんね。

前川 たしかに、そうですね。国主導の働き方改革は、一律に労働時間にキャップをはめ、「休め休め」と声をかけているところがあります。いわば、「働くな改革」です。もちろん育児や介護や病気治療などと両立する人にとっては必要だけれど、仕事を頑張りたい若者、経験を積んで成長したい若者にとってはブレーキになる可能性もありますからね。

永井さん また、職場の周りの人たちも、みんな頑張っている。いかに本人が頑張ろうと思っても、周囲が頑張っていなければ、同調圧力が働いてしまう。入社時には大変だなと思っても、まわりに触発されて一所懸命にチャレンジしているうちに仕事が楽しくなっていくのではないでしょうか。

前川 よくわかります。しかし一方で御社に入社はしてみたけれど、つらくなったり、自分には合わなかったりして、辞めていく人はいないのですか? 若者は売り手市場で、転職の敷居も下がっていますし。

永井さん もちろん早期離職はゼロではないですが、少ないですね。2023年の新卒入社は約300人ですが、離職者は5人未満です。内訳も、もともと起業も考えつつ入社したけれど、やはり起業したくて辞めた人が3人ほどいました。自分とは合わずに辞めたというのはごくわずかです。

前川 早期離職が深刻化する現代において、その定着状況には驚きます。給与や待遇に恵まれている大企業ほど大問題になっていますからね。

永井さん 採用時に、「この会社ではこのような働き方になる」とか「この部分では大変だよ」など、かなりはっきり説明しています。それなら頑張れないと思う人は、採用プロセスで抜けている可能性もあります。

前川 あらかじめ、お互いにミスマッチを避けることも重視しているのですね。
 頑張りたい若者が多く集まりチャレンジできる環境があること。採用時に、そのことをお互いにしっかりと確認し合った上で、メンバーとなっているという状況がよくわかりました。

   3月19日公開の<コミュニケーション活性の切り札に「部活、いいんじゃない!」 レバレジーズ、「社内部活」で生じたプラスの変化は【インタビュー】>に続く。


【プロフィール】

永井 遥佳(ながい・はるか):レバレジーズ株式会社 人事本部 人事戦略部 人材開発グループ/組織開発グループ グループマネージャー/2017年に組織人事コンサルティング会社に新卒入社。大手企業向けのコンサルティング部門で、コンサルタントやHRテックのカスタマーサクセス等を経験。2020年7月にレバレジーズに入社し、2021年から現職。グループ会社全体の人材育成と組織開発を担う。新入社員・リーダー・マネジャー育成の他、チームビルディングワークの設計・運営、社内公式部活動「レバカツ」の導入も担当。

前川 孝雄(まえかわ・たかお):株式会社FeelWorks代表取締役。青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授/人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業のFeelWorks創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。近著に、『部下を活かすマネジメント「新作法」』(労務行政、2023年9月)。

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