中東欧の研究者、石川晃弘中央大学名誉教授が調査、分析した論文「欧州脱社会主義国の社会経済的位置関係」のなかでウクライナ人は寛容さという面で調査した12か国中で1位だった。2024年3月発行の同大学紀要に掲載された。
「社会・政府に腐敗が蔓延していないかどうかの評価」ウクライナは3位
ネット上に公開されている国連の「世界幸福度レポート」(2020年)などを資料として、脱社会主義国の幸福度変遷などを分析した。ウクライナについてみると、一人当たりのGTP、人生選択の自由度などは最下位の低さである。社会的支援、健康寿命の長さも低い。調査対象のなかではチェコのGTPが最も高く、健康寿命の長さもこれに対応している。
「寛容さ」は「過去1か月の間にチャリティーなどに寄付したことがあるか」などの指標で測られる。石川名誉教授は「ウクライナの人はおおらかで屈託がないという私の実感と一致している」と話す。
気になるのは「腐敗の認知度」。「社会・政府に腐敗が蔓延していないかどうかの評価」でウクライナは3位と認知度が高い。ロシアの侵攻前のデータだが、ウクライナ国民の腐敗蔓延の認知度は変化したのか、変わっていないのか。