ラストランを迎えたJR西日本の在来線特急「サンダーバード」の車内で、外国人の男による車掌への暴力行為があったとして、警察が出動した様子などの写真がX上に次々に投稿されている。
この男は検札しようとした車掌にブチギレて突き飛ばした、といった情報が流れている。JR西日本の金沢支社は、取材に対して、男と車掌の間にトラブルがあったとして、警察に通報したことを明らかにした。
スーツケースを横に置いた白人の男が、警察に事情聴取される
サンダーバードは、1964年に大阪―富山両駅間で運行開始した特急「雷鳥」を前身に、「スーパー雷鳥(サンダーバード)」として95年に運行が始まった。関西と北陸を結ぶシンボルとして、長年にわたって親しまれ、現在は、大阪―金沢、和倉温泉間で1日上下約50本が運行している。
ところが、北陸新幹線の金沢―敦賀両駅間が16日に延伸開業するに伴い、敦賀以北から姿を消すことになった。サンダーバードは、新幹線の接続特急として大阪―敦賀両駅間で存続する。敦賀以北が15日にラストランを迎え、多くの鉄道ファンらが駅のホームでカメラを構える姿が見られた。
14日も、ラストランを翌日に控え、サンダーバード乗車を楽しむ鉄道ファンが見られたが、金沢発大阪行きのサンダーバード36号の車内で夕方ごろ、外国人の男が車掌に暴力を振るったとして、警察が出動して男が取り囲まれる様子などを撮った写真がX上で次々に投稿された。
それらの目撃情報によると、この男は、検札に来た車掌に寝ているところを起こされ、英語で怒鳴り散らして車掌を突き飛ばすなどしたという。男は、酒に酔っていた、他人の指定席に座っていた、といった真偽不明の情報もあった。このトラブルを受けて、サンダーバードは、福井県敦賀市内のJR敦賀駅に40分ほど停車し、警察が出動して騒然とした状況になった。
黒いスーツケースを横に置き、帽子を被った白人の男が警察に事情を聴かれる様子だとされる写真も、X上に投稿された。
検札に来た車掌に起こされて激高?
「楽しい北陸旅行にしようとしたのに」。騒ぎのあったサンダーバードに乗り合わせた鉄道ファンの「たんばじ」さん(@SSiro08)は3月14日18時過ぎ、敦賀駅のホームに集まった駅員や警察官らの写真を投稿し、こう嘆いた。
外国人が車掌に暴力を振るったらしいとして、車内に警察が入った後の写真もアップし、「迷惑極まりない」「車掌さんかわいそうに」と憤った。
たんばじさんは15日、J-CASTニュースの取材に応じ、大きめのスーツケースを1つ持っていたため、インバウンドで来た外国人ではないかとの見方を示した。車内には、外国人が3割ぐらいいたが、その男は1人で警察に取り囲まれていたという。当時の状況について、「車掌が検札に来た際、その外国人が寝てたみたいなんですけど、車掌が起こしたら、その外国人の方が『俺は疲れてるのになんで起こしたんだ』って感じで、暴力事件が発生した」と説明した。
今回の件について、JR西日本金沢支社の広報担当者は15日、取材に対し、サンダーバードの車内で14日17時50分ごろ、外国人の男が寝ていたとき、車掌が切符を確認しようと声をかけると、トラブルになったと明かした。
「車掌を突き飛ばしたのか、軽くぶつかったのかは分かりませんが、体の接触はあったようでした。車掌を殴ったという話は聞いていません。車掌にケガはなかったと聞いています。酒を飲んで酔っていたかは把握しておらず、不正乗車の有無も分かりません」
JRから警察に通報し、警察官が駆け付けたため、男を引き渡したとした。サンダーバードは、18時35分に運転を再開し、後続の列車に遅れが出たという。
福井県警の敦賀署は同日、取材に対し、「車掌とトラブルになったということは、聞いていますが、逮捕はしていません。捜査をしているかなどは、報道発表の対象ではありませんので、お答えできません」と話した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
楽しい北陸旅行にしようとしたのによ。
— たんばじ (@SSiro08) March 14, 2024
車内で外人がやらかした pic.twitter.com/3Ep2S7nkAz