訪日外国人客(インバウンド)回復で、今日ではビジネスホテルの宿泊費が高騰していると複数メディアが報じた。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏も、2022年と比べると2~3倍ほど宿泊料金が上がったように感じると取材に話す。
ビジネスホテルの価格の今後について、鳥海氏に詳しく解説してもらった。
コロナ禍で5000円、今1万4000円
マーケティング専門紙「日経MJ」2024年3月9日付記事によれば、全国のビジネスホテルの平均客室単価は、19年と比較すると10%上昇。低・中価格帯ホテルの23年の平均客室単価の伸び率は、東京は22年比62%増、大阪44%増、福岡41%増だった。不動産データ分析の米コスター・グループ傘下STRの調査結果だ。
鳥海氏によれば、大阪にあるビジネスホテルの宿泊費が、コロナ禍のあいだ約5000円だったが、約1万4000円にまで上がったケースもあった。高騰している理由を、次のように述べる。
「宿泊費が上昇した理由については、やはりインバウンドが回復したことが一番大きいと思います。コロナ前の2019年と比べても増えており、ホテルが足りない状況です」
若者が旅行をやめる
今後も増加するならば、宿泊費が下がる可能性は低い。現在よりもさらに上がる可能性もあると、鳥海氏は見解を示す。
都市部のビジネスホテルを中心に「1万円以上が当たり前になるかもしれません」。世界的基準でみれば高い料金ではないが、日本の所得水準でみれば割高に感じる人が多いだろうと話す。
こうなると国内では、ビジネスマンの出張客だけでなく、若者世代も旅行をやめるケースも出てくるのではないか、と予測している。