「旅行支援の実績がなかったことになります」
「旅行支援のときは、追加、追加で割引の枠が来て、100万円前後の予算になりました。今回の応援割は、その10分の1ぐらいですので、ちょっと酷いですね。7万5000円では、電話応対などの手間ばかりかかって、むしろ邪魔されているような感じさえします。大きな旅館は、最大2万円の割引がすべて使われたとして、2000万円以上になりますから、大きなところを優遇したのではないかと勘ぐってしまいます。県の予算約50億円のうち、宿泊施設にいくら回っているかも不明で、旅行会社に多く割り当てられているのかもしれません。県に聞いても、『予算の配分は非公開のため、計算式は教えられない』と言うばかりです」
他の小規模なゲストハウスなどでは、1日で予算がなくなったところが多かったようだとして、応援割について、「喜んでいるところは、ほとんどありませんよ」とした。実施の前日に予算額が分かったとして、「そんな予算なら止めていたところでした。県も事前になぜ打診をしなかったのかと、不信感しかないですね」と憤った。
応援割を所管する県の誘客戦略課は、J-CASTニュースの取材に対し、応援割の予算割り当てについて、次のように説明した。
「応援割については、全国旅行支援に参画した事業者の実績を元にしたルールで配分しました。多くの割引利用があった施設には、それだけ多くの予算が配分されています。実績のない施設に多くを配分して、余ってしまっても困ります。せっかく国からいただいた予算を有効に使いたいと考えています」
ゲストルーム金沢心音などに割り当てられた7万5000円は、最も金額が小さい基礎配分額に当たるとした。
「県がこの額を試算しており、基礎配分額になれば、旅行支援の実績がなかったことになります。ですが、例えば、5000円の宿泊料金で2500円の割引になりますと、30人分の予算になります。予算配分や算定方法については、公表していません。予算が余った施設があれば、ゴールデンウィーク後に第2弾の応援割を検討していますが、予算の再配分は検討していません」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)