注目浴びるTOKYO BASEの「初任給40万円」、実は「公序良俗に反して無効」の可能性 弁護士が指摘する「固定残業代80時間分」の問題点

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過去の裁判例では「公序良俗違反」と判断

   労働問題を多く取り扱う旬報法律事務所の深井剛志弁護士は13日、J-CASTニュースの取材に、「固定残業代が有効かどうか」の観点として、「公序良俗に反するかどうか」が問題になってくると解説した。

   「一般的な社会常識や公の社会秩序に反するものは無効であるという法律(公序良俗)があります。現に、公序良俗に反して固定残業代の定めは無効であるとなった裁判例も過去にあります」と説明する。過去に固定残業代の定めが無効とされた事例では、TOKYO BASEと同じ月80時間分だった。公序良俗に反すると判断された理由については「過労死基準に匹敵するため」という。

「月80時間の時間外労働というのは労災の過労死基準に匹敵する時間数です。それと比較すると、今回(TOKYO BASE)も同じ時間なので、同様に公序良俗違反になるのではないかと思われます」

   また、深井弁護士は、この裁判例は18年時点のものだといい、その後に「時間外労働の上限規制」が導入されていることにも着目する。これは、時間外労働を行うには使用者と労働者の間で36協定の締結・届出が必要であるが、その時間外労働の上限が、原則として月45時間、年360時間になるというものだ。臨時的な特別の事情がある場合は、労使間で合意をすれば上限を超えることが出来るが、それでも年720時間が上限となる。45時間を超えることができるのは年6か月まで。大企業は19年4月から、中小企業は20年4月から適用された。

「(18年の裁判例の)判決が出た後、さらに残業時間の上限規制が設けられました。仮に毎月80時間残業するということになると、この上限規制を大きく超えるので、なおさら公序良俗に反して無効であると判断されるおそれが高いのかなと思います」
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