高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 過激ダンス懇親会、これはガバナンス崩壊・自民党の「縮図」だ

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セキュリティ・クリアランス法案、政府高官とハニートラップは審査しなくていいのか

   しかも、今国会に提出したセキュリティ・クリアランス法案での問題点も、この懇親会をみると分かる。

   この法案は、10年前の特定機密保護法のアップグレードだ。同法では対象が、国防、外交、スパイ、テロに限定されていたが、それを経済安全保障などの一般の秘密まで拡大する。そこまではいいが、同法の適格者として抜けていた政府高官や審査項目のハニートラップ(ハニトラ)は依然として抜けたままだ。

   この懇親会に出ていた党青年局幹部はいずれ政府高官になるが、ハニトラ審査には引っかかるだろう。だがら、政府高官とハニトラを除外したのかといわれたら、どのように言い訳するのだろうか。

   今回の不祥事が、「雨降って地固まる」となり政治資金規正法改正やセキュリティ・クリアランス法案の修正にまでつながるか、それとも自民党支持率がさらに低下して自民党崩壊状態になるのかはわからない。

   和歌山という地方での独特の会合ともいえるが、女性ダンサーを多様性の問題提起のために呼んだとか、閣僚が多様性の問題とか、的外れなコメントも、今の自民党らしい。

   挙げ句の果てには、青年局長を女性にすればいいとばかりに、新青年局長に、鈴木貴子氏を起用した。一体自民はどうなっているのか、呆れてしまうばかりだ。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。

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