「本屋」が消えていく! 10年間で764社...「コロナ特需」「鬼滅の刃ブーム」去った後、復活の道は 調査担当者に聞く

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話題作『推し、燃ゆ』『52ヘルツのクジラたち』で文芸書もブームに

   J‐CASTニュースBiz編集部は、リポートをまとめた東京商工リサーチ情報本部の調査担当者の話を聞いた。

――書店の減少が加速している原因は何でしょうか。リポートには、ネット書店や電子書籍に押されたとありますが、たとえばAmazon(アマゾン)などの通販、BOOKOFFなどの中古書店の台頭なども考えられないでしょうか。

調査担当者 大きな流れは、「本離れ」だと思います。本や雑誌、漫画の電子化、アマゾンなどの通販も気軽に利用でき、書店に行かなくても書籍を購入できるようになり、習慣化されました。

また、書店経営の側からいえば、光熱費や人件費の高騰によるコスト増も重く、また、万引きの横行も負担になっていると聞いています。

――コロナ期間中は、減少に歯止めがかかっていたのはなぜでしょうか。

調査担当者 コロナ禍では、経営不振の書店でも資金繰り支援策を受けられたため、倒産も廃業も減少したと考えられます。また、ちょうど「鬼滅の刃」ブームが起こり、原作本が500万部を突破するなど、おおいに売れたことも大きいです。

コロナ禍の巣ごもり需要で、好転した書店も多かったようです。「出版科学研究所」によると、2021年の紙の書籍の販売総額が前年比2.1%増の6804億円と、15年ぶりにプラスに転じました。

たとえば、子どもたちが読む絵本、図鑑、学習漫画などの児童書が絶好調で同4%増でした。文芸書も同3%増で、芥川賞を受けた宇佐見りんさん(当時21歳)の『推し、燃ゆ』が50万部を突破し、本屋大賞に輝いた町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』も累計発行部数100万部を記録するなど話題作が売れました。

芥川賞作品がこれほど売れた例は珍しいし、また、『52ヘルツのクジラたち』は現在、映画化されています。
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