「トコジラミ」首都圏の電車にも...JR東が「殺虫剤散布」 被害防ぐには?専門家に聞く

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専門家によると、投稿の写真はトコジラミとみられる

   この点について、トコジラミの生態に詳しい日本環境衛生センターの環境生物課は3月12日、取材に対し、いくつかの写真からトコジラミとみられると明らかにした。

   電車内にトコジラミが生息する可能性については、次のようにメールの回答で解説した。

「トコジラミは、ヒトジラミやケジラミのように人と一緒に移動することは基本的には少ないです。しかし、ご自宅でトコジラミが蔓延していることにご本人が気づいていない状況では、多数のトコジラミが衣服や持ち物に混入して、家の外で落としてしまう可能性はあります。衣服や荷物にいた場合、それが電車のシートに移動することは考えられます。その後、シートの隙間に潜み、肌の露出した部分から吸血し、再度シートの隙間に戻ることも考えられます」

   どのような状況で被害に遭うかについては、こう述べた。

「トコジラミは密度が少ないうちは、積極的に衣服の中には入り込まないので、車内で被害に遭うとすれば、露出部がある状況で1時間程度、座席にじっとしていると、刺されることが想定されます。基本的には夜間吸血性で、明るい環境には積極的には現れませんが、吸血意欲が旺盛な個体(脱皮した後に数日間吸血していないような個体)では明るい環境でも出てくることがあります。定期的に清掃されている車内では、トコジラミが乗客の目につく可能性は低く、数百匹単位で見つかるような事態は考えにくい(1匹のメスが生涯で500卵を産むので、「数十匹」はあり得る)ですが、トコジラミは飢餓に強いので、駆除されなければ、隙間に潜んで生きながらえ、繁殖する可能性はあります」

   トコジラミの生息を防ぐ電車内の対策については、こう指摘した。

「車内の座席シートを定期的に外して、吸引清掃し、殺虫剤噴霧(ピレスロイド系以外の成分)、高熱暴露、冷却スプレーなどの処理を総動員することが必要です。また、車内の生息状況を、乗客の目につかない部位に粘着トラップなどを設置して定期的に監視することが必要です」
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