日本マクドナルドは2024年3月12日、追加で100円か200円を払うことでパティが倍になる「倍バーガー」の累計販売食数が1億5000万食突破したと明らかにした。
外食産業に詳しい亜細亜大学経営学部の横川潤教授は、J-CASTニュースBiz編集部の取材に対し、「一定の人気を博している」と評価する一方、「1億5000万食突破」は「やや数字のマジックな気もする」と指摘する。いったいどういうことか。
倍バーガーが支持される理由は
倍バーガーは、2024年で販売開始から6周年を迎える。夕方5時以降の夜マック限定で提供しているメニューだ。今回の累計販売食数は、18年3月19日~24年3月11日の注文数から算出したものだという。
日本マクドナルドは、人気メニューランキングのトップ10位も公開。1位は「倍ダブルチーズバーガー」、2位「倍ビッグマック」、3位「倍てりやきマックバーガー」だった。なお、この結果は、23年1月1日~24年1月31日に販売したものを集計した。
倍バーガーのねらいとは――。前出の横川氏はJ-CASTニュースBiz編集部の取材に、昨今の「肉ブーム」や「肉のボリューム増」、素材や味にこだわった「グルメバーガー」の人気が高まる中、ボリューム感のあるハンバーガーのセグメントで、競争に負けないための戦略ではないか、とみる。つづけて、こう指摘する。
「その戦略が、消費者に一定の支持を受けているといえるかもしれない」
客単価アップもにらむ戦略?
もっとも、1億5000万食突破は6年間の累計販売食数であるため、単純計算では年平均2500万食ということになる。それだけに、横川氏は「(1年間の)売上高に対する寄与は25~37.5億円になり、年商8000億円弱の同社にとって1%にも満たない」とも。
「利幅は薄いが、急ピッチでインフレの進む中、商品全体の価格底上げは必至といえるなか、主力商品を含めた価格改変をスムーズに進め、客単価アップもにらむ戦略とも思われる」