「低料金」と「容量」の二兎を追う新プラン開始
――なるほど、格安スマホは頑張っているわけですね。具体的にはどんな取り組みを行なっているのですか。
調査担当者 若年層は他の年代と比べて契約している容量では「無制限」や「16GB~20GB」が多く、容量を使うことが分かっています。さらに、乗り換え・プラン変更を検討している理由では「料金が高いから」がトップにきており、容量が多く、料金が安いことで支持を得られるかと思います。
最近でいうと、2024年3月1日より「IIJmio」が大容量プランを開始しました。「格安SIM大容量の時代に!」と銘打って、「30ギガ月額2700円、40ギガ月額3300円、50ギガ月額3900円」という月額料金半額&5ギガ増量キャンペーンを行っています。こうした動きが広がる可能性があるかもしれません。
――大手と戦うために、「低料金」と「容量」の二兎を追って、身を削る努力を続けているわけですね。
ところで、【図表3】を見ると、利用率とシェアで業界トップに君臨してきた「OCNモバイルONE」がガクンと失速(0.9%減)、代わりに「IIJmio」(0.8%増)と「イオンモバイル」(0.5%増)の伸びが目立ちます。「OCNモバイルONE」は総合満足度でも3位です。
「OCNモバイルONE」に何が起こったのでしょうか。また、「IIJmio」と「イオンモバイル」が伸びたのは、どういう魅力があるからですか。
調査担当者 まず「OCN モバイル ONE」ですが、こちらは運営するNTTレゾナントがNTTドコモに吸収合併され、2021年10月にNTTドコモが「ドコモのMVNOエコノミー」を発表し、「OCN モバイル ONE」がその役割を担うようになりました。
そして、昨年(2023年)6月より新規受付を終了し、純粋に既存ユーザーのみとなりました。新規ユーザーの取り込みがないため、今後シェアは徐々に下がっていくと思います。
また、「IIJmio」と「イオンモバイル」ですが、2つの共通点としてあげられるのが複数人、複数台でプランのギガ数を共有できる点です。
ファーストスマホが早くなっており、家族みんなが1人1台スマホを持つ傾向になっています。ファミリー層は節約意識が特に強いですから、なるべく安く家族でシェアして使っていきたい人たちがこの2社を選んでいるのかもしれません。