「大手キャリアに負けるか」必死に耐える格安スマホ
格安スマホ業界に何が起こっているのか。J‐CASTニュースBiz編集部は、MMD研究所の調査担当者に話を聞いた。
――格安スマホ(MVNO)の利用率の推移を見ると、2019年までは順調に伸びていますが、2021年9月(9.3%)で底を打ち、その後、9.7%~9.9%で横ばい傾向が続いています【図表1】。
これは、格安スマホが伸び悩んでいるのか、それとも大手の安いサブブランド攻勢に耐えて頑張っているのか、どちらでしょうか。
調査担当者 まずピーク後の2020年11月の下落(12.3%)ですが、2020年は通信業界でさまざまな発表があった年でした。4月に楽天モバイルがMNO(大手キャリア)に参入し、MVNOの楽天モバイルが新規受付を終了しました。また、UQ mobileが10月にKDDIの運営となったことで、MVNOからMNOに移りました。こうしたことがMVNOの利用率が下がった要因かと思います。
次に2021年11月の下落(9.3%)ですが、2021年3月にLINEモバイルが新規受付を終了し、大手キャリアのオンライン専用プラン(ahamo、povo、LINEMO)がスタートしたことが、さらに下がった要因になると思います。
ただ、2022年2月には9.9%に回復して以降、横ばいが続いていることから、MVNO事業者もMNOに負けまいと必死の試行錯誤を続けている結果かと考えます。