円安の進行により、消費者物価指数=CPIが上昇
もちろん、この背景には、円安の進行による消費者物価指数=CPIの上昇があります。
株価も名目値(実際に市場で取り引きされている価格に基づいて推計された数値)ですから、インフレ、もしくは、デフレによる物価変動の影響を直截に受けるので、経済成長率を見る際は、本来これらの要因を取り除いた実質値(特定年の物価上昇・下落分を取り除いた値)で見るべき。
したがって、CPIが1982年以来41年ぶりの水準に上昇すれば、株価も連動して34年ぶりに史上最高値を更新することは、半ば当然のことと言えるでしょう。
ただし、名目値であるこの高い水準の株価が3月以降も水準を維持するには、今後も円安が持続的であることが必要です。
エネルギー、食糧はもちろん、あらゆる建設資材&素材など、その多くを圧倒的に輸入に頼る日本においては、円安が継続することでCPIが上昇し続け、株価を結果的に押し上げることにつながります。
一般に、円安が進行すれば、輸入品の価格が上昇します。そして、海外へ投資資金が流出して債券や株式の価格が下がるものです。
ところが、すでに海外に多くの拠点を展開している日本の企業は、円安による直截なデメリットを受けることがなく、結果的に、円安が株価上昇の背景となっているとはやや皮肉なことです。