「南場会長と一緒にアジアで野球のプロモーションをやりたい」
―― ハイセンスは念願だったプロ野球のスポンサーになり、李社長は個人的にもベイスターズのファンになったとのことですが、今後はどうやって盛り上げていきたいですか。
李さん 日中の友好、相互理解に貢献ができればいいなと思っています。
南場さん まず野球というスポーツを、中国にそしてアジアに広げていきたいとも思っていて、もっと中国から試合を見に来ていただいて、日本のことを好きになってほしいと2人で話しています。
――野球を広げるためには道具も必要ですけど、ルールの理解もありますよね。
南場さん そうなんですよ。私たちは野球を見ながら育っているので、自然に理解できていますけれど。私の大学院時代のルームメイトがヨーロッパの人で、彼女に野球のルールを説明しようとしたら、どこから説明していいかわからなくなったんです。反時計回りに走るとか、戻ってきたら1点だとか。けっこう複雑で、説明しようとするとえらい大変なんですよな。見るのが一番ですけど。
李さん そうですね。中国は野球がメジャーなスポーツではないのですが、ルールの複雑さも理由の1つだと思います。南場会長と一緒にアジアで野球のプロモーションをやりたいですね。
―― 昨シーズンベイスターズはリーグ3位でしたが、クライマックスシリーズのファーストステージで敗れてしまったので、李社長は横浜スタジアムでのポストシーズンをまだ経験していません。
南場さん いや本当にそれは、(ペナントレースで3位だったため)クライマックスシリーズを横浜に持って来られなかったから。今年は横浜に間違いなく持ってきますから、そこで一緒に盛り上がりましょう!
3月13日公開の<日本のスポーツ産業、どうしたらもっと盛り上がりますか?【独占対談】横浜DeNAベイスターズ オーナー・南場智子さん×ハイセンスジャパン社長・李文麗さん>に続きます。
【プロフィール】
南場 智子(なんば・ともこ):株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役会長 1986年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。1990年、ハーバード・ビジネス・スクールにてMBAを取得し、1996年、マッキンゼーでパートナー(役員)に就任。1999年に株式会社ディー・エヌ・エーを設立し、現在は代表取締役会長を務める。2015年より横浜DeNAベイスターズオーナー。2019年デライト・ベンチャーズ創業、マネージングパートナー就任。著書に「不格好経営」。
李 文麗(り・ぶんれい):ハイセンスジャパン代表取締役。1972年生まれ、中国・青島出身。1995年、青島大学電子工学科卒業、Hisense国際有限公司入社。 2001年にHisense USA、2003年にHisenseオーストラリア、2007年にHisenseヨーロッパ、2011年にHisense韓国事務所。2011年、ハイセンスジャパン代表取締役社長・CEOに就任。
【筆者プロフィール】
浦上 早苗(うらがみ・さなえ):経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員。福岡市出身。新聞記者、中国に国費博士留学、中国での大学教員を経て現職。近著に「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。