「レベルが違う」能登半島地震のすさまじさ 石巻から被災地入り、直面した長期支援の課題【東日本大震災13年】

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

民間団体は疲弊「我々はいつまで、このままなのか」

   代表理事の阿部さんは経験を生かし、珠洲市に滞在してボラセン運営にかかわる業務を広く担う。この点、原田さんはじめ「物資運搬チーム」と役割を分担した。

   現地で必要とされるのは、「モノ」だけではない。2月に入ると、「BIG UP石巻」の姉妹団体「BIG UP大阪」が、シャワーや洗濯機を使える設備を珠洲市に設置した。「水が出ない状態が続き、避難所を衛生面で改善したかった」と原田さん。シャワーは、利用登録者が日ごとに増え、手ごたえを感じている。

   ただし、長期運営には課題もある。大量の水を確保し、トラックで運搬する人手が足りない。増員したくても、今度は寝泊まりする場所がない。当然、資金も必要だ。

   BIG UP石巻に限らず、原田さんは「支援者の疲弊」を危惧する。民間団体が炊き出しのように、避難者の命に直結する活動を担っているのに、行政から資金や人的サポートを提供されない。それが常態化し、「我々はいつまで、このままなのか」と嘆く声も聞こえてくるという。

   無論、被災者支援を惜しむ気持ちは、みじんもない。行政の手が回らないところは、進んでサポートに回る。だが発災から2か月を過ぎても好転しない状況に、「これが『当たり前』と思われては......。私たちも、早く本来の支援活動に移行したい」と原田さんは吐露する。

姉妹サイト