米国のバイデン大統領が2024年3月7日(米東部時間、日本時間8日)、上下両院合同会議で一般教書演説に臨み、11月の大統領選で対戦する見通しのトランプ前大統領への対決姿勢を鮮明にした。
演説は、ガザ地区をめぐるバイデン氏の対応に抗議するパレスチナ支持派のデモが数百人規模で行われ、連邦議会議事堂の周囲にフェンスが設置される物々しい雰囲気の中で行われた。
「民主主義を脅かしている」との批判にトランプ氏が応戦
バイデン氏は演説で、トランプ氏が21年1月の議会襲撃事件をなかったようにしようとしていると指摘し、民主主義を脅かし、ロシアに屈していると非難した。また、人工妊娠中絶の権利尊重や企業・富裕層への課税強化など、民主党が伝統的に採用している各施策も改めて打ち出した。
一方、トランプ氏は、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、不法移民の流入をやり玉に挙げ、バイデン氏が国の荒廃を生み出したと非難した。バイデン氏が対決姿勢を鮮明にしたことに対し、「これまでで最も怒りに満ちた、思いやりのない、最悪の一般教書演説だったかもしれない。我が国にとって恥ずべきことだ」とこき下ろした。
バイデンVSトランプの舌戦がヒートアップしたが、高齢とされる2人の変わり映えしない再対決が確実になったことに、有権者からは失望の声が漏れているとも報じられた。国のトップに新たな若手候補を望む声が高まっているものの、日本同様に政界での人材不足を指摘する向きも出ている。