食品の産地を気にする理由として「放射性物質の含まれていない食品を買いたいから」と答えた人の割合が、9.3%とこれまでで最小に――。消費者庁が2024年3月7日に発表した、「風評に関する消費者意識の実態調査(第17回)」で、明らかになった。
「福島産」ためらう割合も最も小さく
2011年3月11日、東京電力福島第一原発が事故を起こし、大量の放射性物質が飛散した。消費者庁では、被災県の農林水産物等に対する消費者意識を調べるため、2013年から同調査を続けている。
今回の対象者は、東日本大震災の被災地域である岩手県、宮城県、福島県、茨城県と、これら地域の農林水産物の主要仕向け先である埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県に住む20~60代の男女5176人。
食品の産地を「気にする」「どちらかと言えば気にする」と答えた人に理由を尋ねたところ、「放射性物質の含まれていない食品を買いたいから」と答えた人は、初回調査では27.9%だった。今回は9.3%と、前回(2023年1月)の10.5%から1.2ポイント下がり、調査開始後最も低くなった。
食品中の放射性物質を理由に購入をためらう産地について、「福島県」と回答した人の割合は4.9%。これも、過去最少だった。