期待以上の活躍を見せてくれるかもしれない。阪神の助っ人右腕・ゲラの評価が急騰している。
2024年3月6日の楽天戦(甲子園)で1回1安打無失点。8回からマウンドに上がると、石原彪をスライダーで遊飛に仕留め、黒川史陽は最速155キロの直球で3球三振。伊藤裕季也に右前打を浴びたが、入江大樹をスライダーで三ゴロと危なげない投球だった。自慢の剛速球はすべて150キロを超え、驚きだったのは抜群の制球力だ。来日前は制球にばらつきがあるという触れ込みだったが、この日の登板で17球中のうちボール球はわずか2球。ストライク先行の投球でスライダーの精度も高かった。ゲラは初の実戦登板となった2月25日の中日戦(北谷)でも最速153キロを計測して1回無失点。素早い牽制で一塁走者を刺すなど、投球以外でも能力の高さを垣間見せていた。
「シーズンに入れば160キロを越えるでしょう」
「肌寒い環境の中でこれだけの球速を出しているので、シーズンに入れば160キロを越えるでしょう。制球もまとまっているので四球で崩れる心配がない。コンディションが上がっていない湯浅京己がファームで調整しているが、ゲラが補って余りあるパフォーマンスを見せている。セットアッパーはもちろん守護神で起用される可能性もある」(スポーツ紙記者)
メジャーに遊撃手で入団し、19年に投手に転向した問い異色の経歴を持つ右腕は、20年8月8日のダイヤモンドバックス戦で自己最速の164キロを計測している。メジャーでは素質が開花しなかったが、異国の地で大化けするかもしれない。(中町顕吾)