キャリアコースから外れる「パピートラック」の心配
J-CASTニュースBiz編集部は、研究顧問として同調査を行い、雇用労働問題に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに話を聞いた。
――男性の育児休業取得率(2022年度)は17.1%と、過去最高となりましたが、女性は80.2%に比べると、まだまだ低いですね。こうした現状について、率直にどう評価しますか。
川上敬太郎さん 長い間一桁だったことを考えると、男性の育休取得率はおおいに進展していると思います。ただ、進み方は決して速いとはいえません。まだまだ課題はあるものの、初めの一歩として固くて分厚かった岩盤に風穴が空いた状態だと言えるのではないでしょうか。
――男性の育児休業取得のスピードが遅いのは、どういう理由からですか。
川上敬太郎さん 男性の育休取得が思うように進まない理由はさまざまあります。男性が育休を取得することが必要だという情報は広がっているものの、「とるだけ育休」が問題になっているように、まだ主体的に育児に携わろうとしている男性が多いとは言えないようです。
また、育休を取得すると他の社員に業務のしわ寄せがいってしまったり、逆に自分の意思に反してサポート的な立場に回されてパピートラック(編集部注:キャリアコースから外されるマミートラックのパパ社員版)に陥ったりするキャリア形成上の問題など、育休取得を敬遠したくなる要因はいろいろありそうです。
<伊藤忠が必須化した男性育休取得 「夫婦同時にとるか」「交代か」大議論 「交代」圧倒的に多かった理由は? 専門家に聞く(2)>に続きます。
(J-CASTニュースBiz編集部 福田和郎)