「同時」「交代」ともに、夫の家事育児能力に不安
いったい、なぜ「交代で取る」方法の支持者が妻側に多いのだろうか。フリーコメントでは「同時か」「交代か」で賛否が分かれた。
まず、夫婦同時にとったほうがいいという意見はこうだ。
「きちんと子育て家事をしてくれるのであればぜひ! ただ、何も出来ないのであれば邪魔だと思います。一緒にとって、相談しながら子育てするのがよいですね」(50代:今は働いていない)
「夫側に育休が休暇ではなく、仕事はお休みして代わりに子育てをするという認識がある前提で、夜中に授乳などで寝られない妻のことを考えると、同時に取って一人当たりの負担を少しでも減らすことが大切」(30代:パート/アルバイト)
「第一子であれば、同時に取得することで『子どものいる生活のリズム』が把握しやすい。その際に非協力的な夫が非難されることがあるが、そもそも家事能力の差が大きい場合もあるかと思う」(40代:派遣社員)
「産後の女性の身体は思った以上にダメージが大きく、産後1か月はゆっくり安静にしたい。そのためには夫も育児休暇を取り、家事をしてもらいたい」(30代:パート/アルバイト)
「生後半年までは夫婦ふたりで育児をするほうがよいと思う。お母さんの負担が大きいことに変わりはないが、お父さんが妻の負担軽減と妻の社会復帰に対して、育児の大変さを身にしみてわかるよい機会になると思う」(40代:今は働いていない)
「産後母親の体力が低下しているため、家事をいつも通りやることは難しい。兄姉がいればなおさら忙しく、回復に努めることはできない。そのため、父親にも自宅にいてもらい、一緒にサポートしつつ子育てにも参加できる環境が必要」(40代:パート/アルバイト)
こういった案配で、夫の育児家事能力に不安があることに加え、特に産後の大変な時期に夫のサポートを求める意見が目立った。
一方、交代でとったほうがいいとする意見はこうだ。
「夫が少しだけ家事の手伝いをして、大変さをアピールしたり、他の人にはやっています感を出したりするのは非常に迷惑で、よけいに出産後の女性の負担が増えるだけ。交代で負担を平等にしたほうがよい」(50代:今は働いていない)
「女性ばかりが育休を取得する時の肩身の狭さを味わうことのないように、男性にも同じ立場で考えて取得してほしい」(40代:今は働いていない)
「双子や多子世帯は特に、母の大変さを父にも分かってもらうために育休取得させるのが望ましいと思う」(40代:パート/アルバイト)
やはり夫の育児家事能力に不安があり、「取るだけ育休」でサボることへの不信感が根強いようだ。
そのうえで、次のような「夫婦公平の育児」を強調する意見も目立った。
「自分は専業主婦だったので、すべて1人でまかなってきましたが、息子たちにはぜひ夫婦で仕事をして、夫婦で協力して子育てをして欲しいと思っています」(50代:パート/アルバイト)
「当時の女性は一人で育児をするのが当たり前のことでしたが、どれだけ大変か、またどれだけ成長したかわかりません。男性も経験したほうがよいと思います」(60代:今は働いていない)
「生まれた子どもによっても、手のかかる子、かからない子の差がすごくあるので、0歳、1歳のころに夫婦で集中してとるもよし、パパは奥さんが職場復帰したら3歳までは週1回午後半休取る、などいろんなパターンでトータルに休む時間が公平になればよいと思う」(50代:パート/アルバイト)
「夫婦の休めるほうが休めるときに交互に休んだらよいと思う。特別な事情がなければ、個人的には2人がかりで育休する必要はないと感じる(双子などは別)」(30代:パート/アルバイト)