伊藤忠商事が男性社員の育児休業取得を必須化して話題になるなど、男性の育休取得が加速化している。
そんななか、夫の育休は妻と同時に取ったほうがいいか、交代でとったほうがいいかの議論が起こっているが、働く主婦・主夫層のホンネ調査機関「しゅふJOB総研」(東京都新宿区)が2024年2月29日に発表した調査「男性の育休取得が必要な時期はいつ?」によると、「夫婦交代で育休をとる」が半数に達し、「同時にとる」の2倍になった。
いったいなぜ交代でとったほうがいいのだろうか。専門家に聞くと――。
伊藤忠「必須化で職場に遠慮するハードルをなくす」
伊藤忠商事は2024年2月28日、子どもが生まれた男性社員の育児休業取得を4月から必須化にすると発表した。
同社の公式サイト「雇用・福利厚生」などによると、配偶者の出産から1年以内に5日以上を取得させる。
同社の男性社員の育休取得率(2022年度)は52%。前年度の34%から一気に上がったものの、女性社員の100%とは大きな開きがあり、「職場に迷惑をかけないかと気にして取得をためらう社員がいるため、必須化によってハードルをなくす」ことをねらっている。
厚生労働省によると、最新の男性の平均育休取得率は17.1%(2022年度)と過去最高になった。伊藤忠商事の52%はその3倍近い高水準になるが、まだまだ足りないというわけだ。
さて、しゅふJOB総研の調査(2024年1月17日~24日)は、就労志向のある主婦層589人が対象。まず、男性の育休取得が必要な時期を聞くと、「生後8週間以内」(58.1%)が6割近くのダントツとなった【図表1】。
次いで、最適の取得期間を聞くと、「3か月以上」(40.5%)が4割を占めた。2年前の2022年の調査では、「3か月以上」と答えた人は32.3%だったから、女性の間でも男性育休の必要性がかなり浸透していることがわかる【図表2】。
続いて、育休取得の仕方で最も望ましいものを聞くと、「夫婦が交代で育休を取得する」(49.2%)が約5割のトップ、2位の「夫婦が同時に取得する」(24.6%)に2倍の差をつけた【図表3】。