再利用の過程で「高い頻度での輸送、洗浄のための用水やエネルギーなども必要に」
1929年に「ビン詰め牛乳」の販売を開始したという森永乳業。これまでビン商品の提供を継続してきた背景について「ビンには懐かしさや特別感、安心感や鮮度感といった情緒的価値もあるかと思います」とし、このような思いを明かす。
「昔ながらの容器ではありますが、こうしたイメージを皆さまに抱いていただくことができる『特別な容器』でもあると思いますので、長らくご愛顧いただいているビン商品で、安心や健康をお届けできるよう努めてまいりました」
「ビン商品を維持すべく、容器を軽量化したり、回収・洗浄し、再利用する回数を増やしたりするなど、オペレーションや環境に配慮した取組みも行ってまいりました」とも企業努力も強調した。その上で、今回のタイミングで容器変更を決断した理由を、次の通り説明した。
「ビン容器は、リユースの観点では同じ容器を複数回使用することで省資源化につながる一方、再利用するために、容器回収から容器洗浄の過程で高い頻度での輸送、洗浄のための用水やエネルギーなども必要になります。
こうしたビン容器の回収から洗浄、製造までに関わるエネルギーの課題、輸送効率や配送頻度の課題、お客さまがビンを返却する手間や、時代とともに変化する市場環境、お客さまのニーズなどを総合的に考慮し、このたび、宅配サービスのリニューアルの一環として商品ラインアップを刷新する中で、ビン商品は販売を終了することにいたしました」