SNS上ではしばしばニセ情報が流れ、混乱が起きる。「3月14日に福岡銀行で取り付け騒ぎが起こる」というデマが、X(旧ツイッター)を駆け巡り問題となった。福岡銀行が公式サイトでこれを否定し、騒動は終結した。ただ、当初からこの投稿には懐疑的な見方が広がっていた。
元日に発生した能登半島地震の際にも、ユーザーの冷静な反応が目立った。「人工地震説」や「偽の救助要請」といった書き込みがSNSに流れたが、2011年の東日本大震災や16年の熊本地震と比べると、強い影響力を持って拡散した様子はない。時の経過とともに、利用者がデマを見極める力がついてきたのだろうか。
「怪情報」は精査する人が多かった!?
J-CASTニュースBizは、ITジャーナリストの井上トシユキ氏に取材した。まず福岡銀行の「取り付け騒ぎデマ」。最初から懐疑的な声が多かったのは、デマのテーマが「金融」の話題だったのが理由ではないかと語る。
「普段から株式情報を投稿するなど、金融に関心が高い人々と思われるアカウントが早くから反応していました。これらの人々は、株価の値上がりの兆候といった『怪しい情報』を、信頼できるソースに当たって精査する癖がついているSNSユーザーでしょう」
取り付け騒ぎのデマ投稿の「うさん臭さ」に最初の段階で気づき、それが冷静な反応を呼んだのではないかとみる。